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水岡 きよみ
水岡 きよみ
novelistID. 46973
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みずいろ

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〈検索結果…〉

私は、パソコンの画面に映し出された検索結果の件数に驚く。
…まあ、この中のすべてがメル友募集板というわけではないのだろうけど。
それを抜きにしても、検索結果の上から20件目まで見事にURL違いで似たり寄ったりな掲示板が埋め尽くしている。すごい。

私は、一件目に出てきたシンプルなサイト名の掲示板をクリックした。


画面が変わり、ようこそで始まるサイト紹介文に出迎えられた。メル友募集の書き込みフォームとその下から30件くらいずつ、50ページ分のメル友募集の書き込みでいっぱいだ。

その膨大な書き込みをよく見ていきながら、気の合いそうな人を探してみる。

…が。


〈神奈川住みの17歳だよ!彼女になってくれる子大募集♪〉

〈35歳の会社員です。¥あげるよ~〉

〈中2女子。イケメン以外は絶対来ないで〉


こんなのばっかりだ。
他にも怪しげな出会い系サイトのURLを貼り付けている輩もいた。


(何がメル友募集掲示板よ…ただの出会い系か彼女募集板じゃない。
しかも中学生ってかいてあるのにほとんどが中学生じゃないし。)

すべて独り言となって消える。
それでいい。
家には人がいない。一人は楽だ。一人、最高。

でも…ひとりは嫌だ。
なんだか寂しいのだ。

だからこの掲示板へ来た、というのもあるのだが。


あまりいい人がいないので、私は意を決して書き込みをすることにした。

過去に別の掲示板でメル友募集をしたことがあったが、そのときは、私が寝ている間に部屋に入り私の携帯を勝手に開いた母親によってメールが消されていたり、アドレスが受信拒否設定に設定されていたりして、一晩、長くて3日ほどしか続かなかった。
そうでなくても、意気投合するほどいい人から連絡が来ることはなかった。


(今度こそ…、長く続きますように)

(そして、趣味が合っても合わなくても、いい人と知り合えますように)


そう願掛けをし、パソコンのキーボードを叩き始める。

すべてのはじまりはそこからで、今考えるとメル友募集の掲示板に書き込みをすることは博打打ちに近いものであった。
作品名:みずいろ 作家名:水岡 きよみ