幸福の指輪
オープニング 紙飛行機
目の前を紙飛行機が飛んでいた。
それを見ながら、どこまで飛んで行くのだろうと考える。
風に乗せられて、ゆらゆらと危なっかしく揺れるそれを見つめていると、いつのまにかつられて歩き出していた。
たどり着いたのは、見慣れた砂浜。
きらきらとした陽射しが心地よく、風も爽やかに吹き抜ける。毎度おなじみの海鳥たちは、今回もにぎやかだった。
波の音を聞きながら、紙飛行機を追っていると、やがて海鳥たちが何かに群がっている事に気が付く。
なんだろう、と素朴な疑問を抱いて近づいた少年が見たのは、浜辺に打ち上げられた女の水死体だった。