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瀬間野信平
瀬間野信平
novelistID. 45975
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火付け役は誰だ!(九番以降)

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「必殺技って言いながらこの程度!!笑わせてくれるわね!!」
「…媛佳、口調と表情が完璧な悪役。…フラグ乱立してる。」

とはいえ覆水達の勝利は決まったような物だった。
相手の思わぬ遠距離攻撃は字の通り火力が足りなかった。
こうして今瑞が四階にあるスプリンクラーから出て溜まった水で外に面した廊下を遮断するように『壁』を張り終えた以上なす術はない。
問題と言えば水の透明度が低いために外があまり見えなくなってしまった事とまんべんなく四階の廊下を覆ったせいで少々薄くなってしまった事か。
水の『壁』と言うべきか『カーテン』と言うべきか。
ただ今そんな事は些細な事だった、現にもう下からあの奇っ怪な投擲は止んでいる。

「おっと、もう弾切れ?あのバタピー私全然食べてなかったのにもう使いきったの?」
「…罠かもしれないけどでもしたからはもう何の着火音も聞こえない。」

…そう、何も聞こえない。
『会話すら』聞こえない。

聞こえるのは、何かが漏れるようなシューという掠れた音。

しかしこの音は上の二人にとってついさっき聞いた物だった。

「「……まさか」」

顔を見合わせた瞬間先程とは比べ物にならない速度で黒焦げバタピーが飛来してきた。
『一階のガスボンベ』による火力増強を受けた黒焦げバタピー達が。

火力がないなら火力を増強すればいい。
それが一階の火口と穂子が出した結論らしい。
これにはさっきまでの余裕をかなぐり捨てて瑞は壁を厚くしてそこを逃れた物を覆水が背負った液体型消火器で揉み消す。

「ガスボンベ使って燃焼中のピーナッツ投げつけるとかこれ何かの儀式なの瑞ーッ!!?」
「…私日本の節分はここまで燃え上がる行事ではないと聞いた気がするような。」
「大丈夫!!安心してこれ節分でもなんでもないから!!欠片もないからね!!」

瑞の間違った日本認識にツッコミつつ覆水媛佳はいけると確信していた。
この攻撃は勢いが桁違いな上に大量に打てるがその分球消費も早い。
今のまま凌ぎ続ければ相手はいずれ自滅する。

「耐えて耐えるのよ瑞!!ここで負けたら私の素敵なマイルームはどうなるの!!ここを耐えればあいつらに勝てるんだから!!!」
「…今何か嫌なフラグが立った気がする。」
「そんな訳なーいッ!!良いから防ぐの!!」



≡≡火付け役は誰だ!≡≡