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瀬間野信平
瀬間野信平
novelistID. 45975
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火付け役は誰だ!(九番以降)

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△十二番、火付け役は誰だ、中▼



さて、無警戒のエレベーター一階に降りたところで一旦マンションの塔から出る。
上を見上げると穂子の姿はもうない。
俺と下に下がったエレベーターを呼び戻して上に行ったのだろう。
…向こう側がエレベーターを先ほどから無警戒だったのは、こちらがどこから来るのかを絞る為…か、単なるドジだろう(その場合主にバディ側の責任が考えられる)。
各階両脇二つにある階段を防火装置で封鎖すれば逃げるも戦うもとりあえずエレベーターを使うしかなくなる。
それに対してこちらは俺が一階、穂子が覆水、瑞がいるであろう四階に行った。
一階の俺のやることは、待つこと、その後にやることは二つ。
一つに四階で仕事を終えた穂子による地上への紐無しバンジーを体を張って受け止める事。
そしてもう一つ、最後の『火付け役』。

「…まぁ穂子が無事に下準備し終わったらの話なんだがな。」

この作戦に必要なバターピーナッツにチャッカマンを持って一人だけ待機、女の子(?)に一人準備を任せて。
…よく考えてみると、どう見ても不審者(おつまみの好みはバターピーナッツ、趣味は放火、)にしか見えないし、少なくとも絵になるものではない。
特にマイナスポイントは女の子に一人で何かさせている所、しかもデート云々言われた後で、辛い。

「(…よし、思い出すなデート何てなかった服なんて買ってなかった俺は何も言われなかったし赤面なんかましてやしなかった)」

そんな風に更に不審者の雰囲気が増すように頭を振って独り言ちていたらどうやら上で戦いが始まったらしい。
なにもやることがない俺は少しいじけながら、四階が発生源の鈍い音を聞きつつ、指でバターピーナッツをいじって遊んでいた。



≡≡火付け役は誰だ!≡≡