ビックブラザー（総理大臣）はアルバイターでパート
遠い未来社会、民主主義の矛盾が解消された社会では貧困と犯罪がない。
ビックブラザーは複数いる。寡頭政治（かとうせいじ）で、複数の総理大臣が日本列島本土を支配している。
複数の指導者によって日本の政治を動かしている。
かつての道州制の名残があり、日本列島にはいくつかの自治区と自治共和国がある。日本列島には、いくつかの治外法権地域がある。北海道の最北端や山奥にある学園都市に民主主義で統治している「自治共和国」がある。日本列島には、３つの異なる政治体制の国がある。一国、３制度の国になった。
大阪自治区には、かつての繁栄の名残がない。自由に自分の意見が言えるが経済力は皆無。多くのスラム街があり貧困が多くが残っている。とても治安が悪い。大阪自治区は２１世紀の政治形態を続けている。大阪自治区は２１世紀の日本のミニチュア国家。この大阪自治区は、政治的な自由を求める人、商売で儲けようとする人たちが、いつでも自由に住むことができる。
「民主主義」とは不完全な政治システム。政治のことを知らない人が大きな政党に何も考えないで投票する。それを遇衆政治、多数先制政治という。
２３世紀、異常な温暖化で地球環境は大きく変わった。
ヨーロッパでは寒い広大な砂漠があり、ほとんど雨が降らないから人口が急激に減る。逆にサハラ以北の北アフリカでは砂漠がなくなり、雨が降るようになった。人類のほとんどがアフリカ大陸にある資源を求め「アフリカン・ドリーム」で世界中の人たちが中東や北アフリカに移住した。そして宗教法による統治で、イスラム法による理想的な国を作ろうとしたが宗教指導者の独善的な政策のために失敗した。管理能力が欠如しているため宗教指導者の腐敗で失敗した。そして、２１２０年にイスラム教２６番目の偉大な預言者の名前を使った「ホメイニー」条約が執行された。
それによって宗教指導者、特権階級以外は、一般市民の電気の使用を禁じ、一切の教育活動が禁止された。極一部の人たちだけ近代的で裕福な生活をしている。
アフリカには２２世紀初頭の世界共産主義革命で逃げ出した強欲な経営者たちの子孫がいる。彼らは現地の人たちや欧米や東南アジアからの移民を奴隷以下の扱いをする。刑務所みたいなところに死ぬまで監禁し休日は年間６日以下のみ。１日２０時間以上の強制労働をされる。南北戦争以前のアフリカから強制的に連れてきた黒人奴隷よりも酷い扱いである。
サハラ全域の北アフリカは、サウジアラビアの固有の領土。中国の奥地はイランやアフガンの領土となった。中国は沿岸部だけ残った南北に細長い国になった。インドもほとんど領土を失い西半分湾岸部を除いてイランの固有の領土になった。アフガン・イスラム帝国は中央アジアの国々を併合して巨大帝国になった。中国の西半分を強制的に固有の領土にした。
ロシアからはシュベリアの南半分を、モンゴルの領土もほとんど併合されたが、首都ウランバートル周辺だけは独立を保て陸の孤島となった。
グリーンランドの氷山の氷が溶け、シュベリアの永久凍土が溶け、海水の水が急激に増え、世界の陸地が少なくなった。
日本においては、東京都２３区の半分は温暖化によって水没した。ロシアは旧・ソ連に似た社会に戻った。
ロシアは日本と同じように、最低限の生活が保証されているので貧困も犯罪もない社会になった。北シュベリアの気候が温かくなり、冬の厳しい寒さが緩和された。北極海の近くに北極海航路の港がたくさん作られた。ロシアでは計画的に作られた新しい都市が建設されている。ロシアには西ヨーロパと北米と南米の移民が多く住んでいる。
シュベリアの気候がかわり、２１世紀の日本と同じような気候となった。
日本の首都は札幌に遷都した。日本は亜熱帯気候の気温が温かい国になった。一年中、夏である。
札幌の国営コンビニ店に働くおじさんがいる。この人が日本の政治家であるビックブラザーと思っても、コンビニにいれば、独裁者でなく、ただのコンビニで働くおじさんである。
夜勤があけ、昼間は寝る。そして、夕方からネットで日本各地の政治家と熱い議論をする。午後９時半にはコンビニに行く準備をする。週に４日、８時間働く。金曜日から日曜日まで政治活動をする。
政治家、国会議員になるにはお金も財産も必要がない。
国会議員や官僚、政治家になるには学力や学歴に関係ない。「国のために命を捧げる」と誓えば良い。
６年間の人格検査を受け、政治家になるための専門学校に通えばいいのである。でも政治家の給料は安い。財産はなにもない。必要最小限の生活費で生活する。政治家は身内が生活費を補助しなければならない。
政党は一つだけだけど、政党助成金制度はなくなった。
近所の人たちには、とてもやさしいおじさんとみられ、安い賃金のアパートに住んでいる。
作品名：ビックブラザー（総理大臣）はアルバイターでパート 作家名：ぽめ