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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
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そらのわすれもの2

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知秋の通う華山高校は、幼稚園からほぼメンバーの変わらないエスカレーターで上がれる学校だ。だから、クラスメイトは皆お互いの事をよく知っていて仲がいい。その輪の中に知秋も混ざっていた。

美紗は、ふと知秋の持っているバケツが気になった。
「そのバケツどうするの?」
「竜也が教室に入る時間帯に縦に5つくらい教室のドアの前に置く予定なんだ。」
「ふーん。私も手伝おうか?」
言葉とは裏腹に美紗の声は、元気がなく、冴えない様子だ。
知秋の育ての父親である竜也は、二人のクラスの担任でもあった。

小学校3年生の自転車での事故以来、知秋は彼女の父親と仲が悪くなってしまった。その事を、美紗は何となく勘付いていた。それまで、お父さんっ子だった知秋の胸中を考えると悲しい。
それは、他のクラスメイトも同じで、そのため、知秋が彼女の父親である担任の天野竜也にいたずらをしても、黙認していた。