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未花月はるかぜ
未花月はるかぜ
novelistID. 43462
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そらのわすれもの2

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5


帰宅後。
「とは…約束したものの…。」
知秋は、薄暗い自分の家で、下着姿のまま、ベッドの上で項垂れた。ここにも課題が沢山あった…。

この家は不自然すぎる…。
タンスや机は2人分あるのに、ベッドが1人分しかない。
コップやお箸も1人分しかない。
もう日が傾いている。知秋が行動出来る時間は限られている。隠ぺいするのにも、時間がない。
「とりあえず…。」
写真立てに知秋は手を伸ばした。それは、この家で家具の次に不自然な物だ。写真立てを置いているのは、知春の趣味である。しかし、この家の写真立ては、全てフレームが壊れ、更に伏せられているのだ。知春が起きている間だけその写真立ては立て掛けられ、知秋が起きる頃には伏せられている。
伏せられていた写真立てを久し振りに知秋は手に取った。表面がヒビだらけだ。そこには、子どもの頃の知秋と竜也が笑っている。