金平糖~恋愛短編集~
お隣のたっちゃん
お隣に住んでるたっちゃんは、いわゆる幼馴染というやつで。
飲み込みの早さはずば抜けてて…ほんとは勉強もスポーツも人並み以上なんだけど、飽きっぽくて長続きしない…。
私が『タッチ』に出会ったのは小3の夏のことでした。
「たっちゃん!たっちゃんのことがマンガに書いてある!!」
「はっ?!…てゆか、たっちゃんってなんだ…。」
「拓也だからたっちゃん??」
首をかしげた私にアホかと冷たい視線。
「あ、じゃあ、俺かっちゃんで直が南ちゃんね。」
と即座にノリよく言ってくれた克規君とは大違いだ。
「直、俺が甲子園に連れてくよ。」
「克規君!」
「やめてくれ、アホ共。」
「拓、ノリ悪い。」「悪いね~。」
「当たり前だ、阿呆。」
大きくため息を吐く拓也に克規君と二人でしゅんとするしかなかったそんな夏の午後。
作品名:金平糖~恋愛短編集~ 作家名:暁つばさ