Da.sh Ⅱ
「パパ、ママと早く住みたいね」
家の中の部屋、すべての扉を開いて覗き込みながら、興奮気味に催促する明日香。曖昧な返事しか返せない、オレ。ママ・・・好美は、来てくれるだろうか。
家を見た後、雑貨店を開業することを決心し、守君に資金のことを頼んだ。
「ネットでも注文を受け付けたらいいよ。細かいことは教えてやっから」
俊介君が、これまた楽しげに勧めてくれた。
「おっさんは、図面が得意のようだからさ、3Dプリンターを置いて、フィギュア作って売ってもいいんじゃないの」
「おお、それはいい。拳銃が作れっぞ」
明日香と顔を見合わせては、ニコニコしながら彼らの会話を聞いていた。
修理が必要な所は明良君たちが、ああだこうだと言い合いながら手を入れてくれた。手際良く板を打ち付けたり、ペンキをはいたりと大工仕事をこなしていったのは、守君である。
「こういうの、苦手なんだな」とは、青黒く腫らした頬を撫でさすりながらの俊介君。