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Da.sh Ⅱ

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「さぁて、飯食ったことだし、おっさんの話とやらを聞こうか」
 リーダー格とおぼしき浜崎明良が、緑茶のペットボトル片手に口火を切った。
「おっさん、じっちゃんの仲間だって、言ったよな。俺達の名前はもう分かっただろ。本名を言ってくれ。それと頼みがあるなら、すべて実名で事実だけを話してくれよな」
 うなずいて立ち上がると、「太田健一、40歳。よろしくお願いします」と言って頭を下げ、再び腰を下ろした。

 そうしてオレは、ホームレスになったいきさつから現在までのことをかいつまんで話した。
 星慎之介と、若獅子会組長の虎尾強との関係。
 娘明日香のことと、明日香が源さんに話した内容。
 オレがホームレスになったのは、いや結局それは、オレ自身にも問題があったのだということは分かっているが、星慎之介の策略にはまって会社を辞め、借金を重ねて妻と離婚し、返済金はまだ残したまま取り立て人から逃げ、まともな仕事にありつけないできたためだ。
 妻は星に取られ、その星はまた娘にまで牙をかけようとしたため、娘は今、新宿東口の出会いカフェにいる。直接には、まだ会ってはいないのだが。
という事柄は特に強調した。

「じっちゃんから、話は聞いてる。簡略だけど」
「それで、頼み、ってなんだよ」
 俊という男はパソコンを起動させ、キーボードを叩いている。
 パイプ椅子の背中側を両足に挟んで、両手を組んで背もたれの上に乗せて聞いていた明良君と守君が、同時に言った。
 オレは唾を飲み込んだ。

「金を、金を貸してほしい。いや、毎月源さんに5万円渡しているのを知っている。情報料として。金をそれなりに持っていないと、出来ることじゃない。それで、それで君たちは、金を十分持っているに違いないと睨んだ」
「フン。それで、金があれば、どうする?」
「それは」と言って黙り込んだ。どう説明すればよいのか、車の中で考え続けたのだが、うまい説明の仕様が思いつかない。それに、馬鹿げたことだと自覚している。だが、明日香を見てからずっと考え、思いあぐねていたことだ。
 しかし、浜崎明良の誘導に従って、計画を明らかにしていった。
作品名:Da.sh Ⅱ 作家名:健忘真実