小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

Da.sh Ⅱ

INDEX|12ページ/57ページ|

次のページ前のページ
 

「あのーぅ、質問、よろしいか」
 皆の視線が集まった。
「このご馳走、高くついたと思うんですが、オレ、金は全く持ってません」
 手を叩きながら、ギャハハハハ、という笑い声が一斉に沸いた。
「美味いやろ。選別された新鮮な食材を、一流の料理人が手間暇かけて作った、料理や。おやっさん、これはぁ、日本料理屋ぁヱビ寿、でっしゃろ」
 オレが食べ残した器を回し合って小皿に取ると、ウィスキーを少し口に含んでは、その高級料理を噛みしめて味わっている。
 時々大きく目を見開いて話す太郎さんの口は、滑らかだ。

 源さんは頬笑みを浮かべたまま、さらりと言った。
「健、心配ないからさぁ。清潔だよ」
 オレは、不安になった。まさか・・・。
「まさか、残飯?」
 隼人さんと光圀さんは、黙ったままカップに鼻を近づけては恍惚な表情を浮かべて、液体を口に含むと口を閉じたまま鼻の穴をふくらませたり顎を動かしている。口の中で、転がしているらしい。

「高級クラブ、っちゅうとこはやなぁ、キープの期限過ぎたらぎょうさん残っとっても、ボトルごと処分しよる。ここンおったら、上等の酒も料理も、たらふく食えるんや。コンビニ弁当なんか不味うて食えんで、なぁ、おやっさん」
「明日はさぁ、鮨でも食いに行くかい」
「いいねぇ」と、オレ以外が賛同した。
「回転寿司の閉店直後ぉ、1時半頃だな。健、そのつもりでな」
「あのう、オレ、ここにいるかどうか、まだ決めてませんのですが」
作品名:Da.sh Ⅱ 作家名:健忘真実