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おもかぴえろ
おもかぴえろ
novelistID. 46843
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タイトルズoss

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人間は穴があったら突っ込みたくなる習性がある、と思う。



 なぜかね、結構新し目のタオルのすみっこにね。
 ちっこい穴が空いてたんよ。
 思わず指突っ込んじゃったわけ。
「……里中。なにやってんだお前」
 真後ろから声したら飛び退くでしょ? あたし飛び退いちゃったけど、これってふつーの反応よね? コーヒーサーバーにぶつかっちゃったけど。
 タオル、商売道具だからさ。
 オーナーの声が低くなるの、理解できんのよ。
 でもね。
 そこに穴があったの。
 穴あったらさ、反射的に指とか棒とか突っ込みたくなるじゃない?
「穴空いてるから指突っ込んでみました」
 現場見られてるッポイからここは正直に申告したわよ。
 そんでもって買い取るわよ、このタオル。
 業務用タオル一枚150円也で。
 たかが150円、されども150円。
 150円あったら取り敢えず500のペットボトルの何かが買えちゃうよね。
「お金レジに入れときます」
「いや別にシャンプー用にすりゃいいけど。まさかとは思うが今までの穴あきに全部やったのか?」
「いやいやいやいやまさか! たまたまです、オーナー!」
 おっとぉ、濡れ衣着せられたよ。
 残念ながらアシスタントじゃないんで、あっし。
「ほんとかー?」
「ホントですよ」
 ナニその疑惑いっぱいの目!
 焦っていたらバックヤードにアシスタントのマリちゃんが来た。
「里中さん、カットおねがいしま……何遊んでるんですか?」
「遊んでないよ! お客さん入ったんで! 里中は仕事して来ます!」
 でかした、マリちゃん! そしてありがとうお客さん!
 バックヤードを出たら笑顔。
 これ接客業の基本。
 例え内心、濡れ衣、晴れるといいなあ。なんて思っても笑顔なのよ。
 久しぶりだわ、こんな気分。
 顔引きつってないといいなと思いつつ、あたしはお客さんに話しかける。

作品名:タイトルズoss 作家名:おもかぴえろ