雨の糸つむいで
「ほら! 雨雲が切れて
お日さまが顔を出すよ♪」
慌てて空を見上げたあゆちゃんでしたが
雨は相変わらず
ショボショボと降り続いてます。
「ぼくらにはわかるのさ!
がっかりしないで。
確かに雨はやむよ♪」
手を胸にあてて
祈るような気持ちで空を見上げていると
不思議です。
小人さんのいうとおり
雲の切れ間から
お日さまの光が漏れてきました。
「お日さまの具合で
ぼくらの仕事が決まるんだ。」
青空が広がりだし
お日さまも強い力で照らし始めます。
するとパラパラ落ちてくる雨が
七色に透き通り
きらきらと輝いてきました。
「さぁ、急いで!」
三角ぼうしの小人さんたちは
くるくると動き回り
その雨の糸を束ねて紡いでいきます。
「なにをするの? あたしも手伝う!」
あゆちゃんも赤や黄色の雨の糸を集めて
見よう見まねで紡いでいきました。
やがてどっさりと
七色の雨の糸ができあがり
お日さまの光を浴びて
もっともっとやさしく輝き始めました。
「わかった♪ これを編むのね。
編んで空に架けるんだわ!」