雨の糸つむいで
「やぁ♪ さっきから
つまらなそうにしてるけど
雨はきらいなの?」
あゆちゃんはびっくりして
その小人さんに聞いてみました。
「あなたは…だぁれ?」
小人さんがひょいと飛び降りると
ピチャンと地面が音を立てました。
「きみはどうして雨が嫌いなの?
ほら♪ こんなに楽しいじゃない。」
小人さんは空き缶や葉っぱ
水たまり、トタンの屋根や窓ガラス
いろんなところに跳ねてまわりました。
すると
トン、テン、カン、ピッチョン、ピッチャン
トン、テン、カン、ピッチョン、ビッチャン
いろんな音が素敵なリズムを刻んで
綺麗なメロディーが生まれます。
「雨が嫌いなわけじゃないの。
ただあしたの運動会…」
いつのまにかあゆちゃんのまわりには
三角ぼうしの小人さんたちが
たくさん集まっていました。
「この雨いつやむの?」
「それはわからないな。
お日さまの元気次第さ。」
お日さまはいつ
顔を出してくれるのでしょう。
そのとき小人さんのひとりが叫びました。