D.o.A. ep.44~57
「父さん、外で呼ばれて…」
ネイアだ。
入ってすぐ、父と向かい合って座るジャックに気付いて、息を呑んでいる。
そのまま佇み、動かなかった。
「あ…お嬢。ただいま戻ってきました。心配かけてしもて、すいません」
「………」
無言のネイアに、歩み寄るが、反応はない。
「もしかして…すごく怒ってらっしゃる…?」
噴火の前触れなのでは、と、冷や汗をたらしながら顔を引きつらせる。
「…もう…帰ってこんかと、思ってたんやで」
「? なんでですか?…俺の帰るトコは、ずっとココですよ?」
うつむきながら紡がれた呟きに、不思議そうにジャックは返す。
なにを当たり前のことを言わせるのか、と。
「…ん。そやな。あんたの帰ってくるトコは、ずっとココやんな」
そんな様子に、安堵したように双眸を和らげた。
「…おかえりなさい。ジャック」
作品名:D.o.A. ep.44~57 作家名:har