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かざぐるま
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ビッグミリオン
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去り際に、爪と同じ色の口紅でナプキンに携帯電話と部屋番号を書くと、そっとテーブルに置く。
「ま、た、ね」
唇に手を当て投げキッスをし、こつこつと足音を残しカフェを出て行った。
後に残された紫苑の口元が、微妙に笑っている。
「ここで暮らすのもわるくないかな」
誰にも聞かれないような小さな声でつぶやくと、置かれたナプキンをちらりと見てテーブルに背を向けた。
作品名:
ビッグミリオン
作家名:
かざぐるま