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何度でも、あなたに恋をする~後宮悲歌~【完全版】

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 逢いたいと切ないほどに願い続けているから、御仏が一瞬見せて下された幻かと。だが、ユンは幻影ではなく、正真正銘の彼だった。
 二年の時を経て再会を果たした二人は、明姫が暮らす小さな房で狂おしく身体を重ねた。ユンはこれまでの空白を埋めるかのように明姫の身体を貪り、烈しく求めてきた。ユンとの交わりは以前も烈しいものではあったが、あの夜は少し常軌を逸しているといっても良かった。
 もっとも、明姫には久しぶりに逢う彼が自分をそこまで求めてくれていることに歓びを感じこそすれ、少しも嫌だとは思わなかった。好きな相手から情熱的に求められて、嬉しくないはずがない。
 明姫もまた狂おしく求めてくる彼の愛撫に応え、あるときは大胆に自分から彼に挑んでいったりもしたのだ。宮殿で夜を過ごす際は、どうしても周囲に遠慮してしまう。
 寝所の扉一つ向こうには大勢の尚宮や内官たちが控えている。国王の夜伽を務めるのが側室であれ王妃であれ、それは通例である。ユンは明姫が外にいる者たちをはばかり声を押し殺しているのを見ると、面白がって、わざと彼女に声を上げさせようとする。
 絹の褥に顔を押しつけて声を洩らすまいと堪えている明姫の身体の感じやすい部分を責め立ててきた。つまり、ユンとのこれまでの営みはすべて間近にお付きの者たちがいることを意識して行わなければならなかった。
 それが、この山頂の寺では何の遠慮も要らない。もっとも、色欲を禁ずる聖域である寺で、あのように淫らな行いを繰り返したというのは確かに罰当たりだという気はするけれど。これまでの明姫であれば躊躇するであろうが、あの夜はユンの顔を見ただけで、常識だとか理性だとかは消え失せてしまったのだろう。
 明姫の暮らす房は寺の広い境内でも奥まった外れにポツンと離れて建っている。僧たち起居する僧坊や寺男一家の房は本堂の近くにあるのだ。明姫の住まいが他の者たちの住まいから離れているのは、やはり慈慶和尚の計らいでもあったのだろう。
 数日前の夜はまったく奔放すぎた。我ながら信じられず、後から思い出しただけで恥ずかしくなってしまうようだ。ユンが望むままに大胆に脚を開き、時には自分からねだったりもした。
 三度も続けざまに抱かれ、絶頂に達してしまった明姫は意識を手放した。ユンはあの後、更に明姫を起こしてまで求めてきたのだ。
―さあ、自分で挿れてごらん。
 明姫はその時、ユンをまたぐ格好で大きく脚を開いて膝立ちになっていた。
 彼が言おうとしていることは、すぐに判った。宮殿にいた頃は何度彼に望まれても、けして従わなかった姿態だ。
 だが、あの夜は違った。大好きな男に久しぶりに逢えた。しかも、今度はいつ逢えるのかも判らない。そういった明日をも知れぬ危うさが明姫をいつもより大胆にさせていたのだろう。
 明姫はユンの意に素直に従った。既に指だけでなくユンの剛直でさんざんかき回され、貫かれたその場所は蜜が溢れて滴っている。零れ落ちているその蜜は恐らく明姫自身のものだけでなく、ユンが最奥で放った彼の蜜も混じっていたに違いない。
 それでも最初は少しの躊躇いを示す明姫に、ユンがからかうような声音で言った。
―やはり、怖いのか?
 ユンの隆とした屹立で最奥まで貫かれる―。その様を想像しただけで、常なら怯えてしまうのに、何故か、あの夜は裏腹だった。あの逞しい剛直で最奥まで刺し貫かれたい、感じやすい部分を幾度も突いて貰いたい。そんな酷く淫らな欲求が下半身を疼かせた。
 彼の逞しいものが自分を串刺しにするところを想像し、明姫は薄く唇を開いた。口づけで腫れた唇が細く開いたところは、いつなく彼女を淫らに見せた。既にそのときにはユンの屹立の切っ先が明姫の秘口に当たっている状態だった。
 明姫は自分の淫らさに気づいていない。しかし、彼女を膝に乗せて下から見上げているユンには丸見えであった。刹那、ユンが明姫の応えを待たず、秘口に触れている屹立を一挙に挿入した。
―あぁっ?
 明姫は突如として襲った衝撃に、思わずユンの逞しい肩に両手で捕まった。
―今は半分ほどだな。後は自分で挿れてみろ。
 淫らな言葉が彼女を誘惑し、明姫はその言葉に誘われるかのように、ゆっくりと自らの腰を下げていった。やがて彼女の肉筒はユンのものをすべて飲み込んだ。
 何度も飲み込んで、既に馴染みのある感覚。初めて抱かれた頃は、まだ圧迫感があったものの、今では苦しさよりも受け容れる快感の方がはるかに凌駕している。待ち望んだ剛直を得て明姫の肉筒は歓び、収縮を繰り返して打ち震えた。
 ユンにはそれが溜まらない快感を呼び起こすらしく、既にその頃には、いつもの彼らしくなく余裕を失っていた。
―明姫、そんなに締め付けては私が保たない。少し緩めてくれ。
 荒い息遣いで言われても、明姫にはすべがない。別に意図しているわけではなく、身体が勝手に反応しているだけなのだ。
 小首を傾げる明姫を見、ユンが含み笑った。
―可愛い顔をして、そなたの身体は魔性だな。男を虜にして離さない。
 ユンは囁くやいなや、明姫から彼自身を引き抜いた。急に喰いしめていた屹立を失い、明姫の肉筒は物欲しげにひくつく。ユンは明姫の身体を軽々と裏返すと耳許で言った。
―魔性の女には獣のように姦するのが似合いだ。這え、明姫。
 ユンの言葉が判らないままに、言われたように四つん這いになった。ユンは背後に回り、明姫の白い小さな尻を持ち上げさせた。
 何気なく背後を振り返り、流石に明姫は狼狽えた。真後ろにいるユンにはすべてを晒している。蜜壺だけでなく後孔や淡い茂みまでが丸見えになっているはずだ。
―いやっ。 
 思わず悲鳴を上げて這って逃れようしたところを、ユンが背後から素早く抱き止めた。
―今宵だけは私の言うことを聞いてくれ。
 背後から覆い被さられ、乳房をやわやわと揉み込まれると、それだけで身体の力が抜けて、くたっとなってしまう。その隙にユンは背後から明姫の中にひと息に入ってきた。
 先刻からいくばくかの刻を経ているというのに、ユン自身は萎えるどころか、ますます大きく固さを増しているように思えた。ユンの屹立を失って寂しがっていた明姫の肉筒は歓び勇んで屹立を受け容れ、逃すまじとばかりにぎゅうぎゅうと喰い締める。
―明姫、もっとゆっくりと愉しませてやりたかったが、これ以上は保ちそうにない。達くぞ。
 言い終わらない中に、ユンの屹立が最奥で弾けた。撒き散らされる熱い液体が入り組んだ襞にしみ通ってゆく。溜まらない快感がせり上がり、身体中を駆け巡った。
 本当に冗談ではなく、烈しすぎる快楽地獄に堕ちたまま狂ってしまうのではないか。そう思うほどに凄まじい絶頂に達した。
 ユンはしばらくはなお明姫の中にとどまっていたが、やがて、ゆっくりと出ていった。
―もう眠っても良いぞ? 私が側にいるから、ゆっくりと寝め。
 ユンはいかにも彼らしい優しいことを言って、明姫の髪をあやすように撫でつけた。明姫は彼の言葉を夢うつつに聞きながら、すぐに深い眠りに落ちていった。
 次にめざめた時、既に傍らにユンの姿はなかった。慌てて狭い房内を探してみても、やはり彼はいない。落胆と淋しさが一度に押し寄せ、明姫の眼に涙が滲んだ。