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何度でも、あなたに恋をする~後宮悲歌~【完全版】

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 その声にすら感じてしまい、鋭い快感が四肢を駆け抜け震わせる。そんな彼女の反応を一つ一つ愉しむように、ユンは快感に揺れているふくよかな乳房の先端を乳暈ごとすっぽりと口にくわえた。
「あっ、あっ、あぁっ」
 ざらついた舌で突起をこね回され、明姫はついに極まった。
「ああーっ」
 甲高い声を上げながら絶頂を迎えた明姫の身体を軽々と持ち上げ、ユンは自らの屹立を既に十分潤った蜜園へと当てた。絶頂に達したばかりの明姫はまだ忘我の狭間を漂っている。
 そのどこか虚ろな瞳が大きく見開かれた。
「殿下―、あ、ああっ」
「そなたは指だけで達ってしまったが、私はまだだ。これから少し愉しませてくれ」
 ユンは秘口へてあてがった鋭い切っ先を躊躇うことなくひと突きして明姫を刺し貫いた。
「―っ」
 明姫のたおやかな身体がユンの上で大きくのけぞった。ユンは自分の上にまたがった明姫の両脚を更に割り裂き、強く抱きしめる。そうすることで結合が更に深くなり、明姫はより最奥で彼を受け容れることになる。
「明姫、久しぶりに入るそなたの中は熱くて狭くて気持ちが良い」
 ユンはしばらく動かずにそのまま明姫の中に入っている居心地の良さを堪能しているようであった。ややあって耳許で?動くぞ?と囁かれ、ユンの動きが烈しくなった。
 それからほどなく、明姫はまだ意識が拡散したまま、二度目の絶頂を迎えた。
 真冬の二月であるというのに、二人は全身にうっすらと汗を浮かべ、荒い息を吐いている。
 明姫は改めて今の自分のあられのない格好に気づき、頬に朱を散らした。何も身につけない全裸、しかもユンの逞しい身体に大股開きで跨っている―。
「殿下、もう」
 うつむき加減で消え入るような声で言うと、ユンがからかうように言う。
「もう、何?」
「お許し下さいませ」
「誰が誰を許せだって? 私も久々に愉しんだけど、明姫も気持ちよくなっただろう?」
「―」
 明姫は到底応えることもできず、ますます頬を紅くしてうつむくばかりだ。ユンは既に吐精を終えたというのに、依然として固さを保ったまま明姫の内奥にとどまっている。
 ふいにユンが腰を動かした。内奥の最も感じやすい部分を切っ先ですりつけられ、明姫は声を上げてしまう。
「ぁあ―」
「明姫はここがいちばん感じる場所だったな、ん?」
 優しくあやすように言いながらも、ユンはゆっくりと腰を前後させ、その敏感な部分を何度も自らのもので嬲った。
「あっ、あ、あ」
 深夜とはいえ、ここは神聖な寺である。明姫は慌てて両手で口を覆い声を洩らすまいとした。
 ユンは腰を緩く回しながら、明姫の剥き出しの肩を軽く啄んだ。明姫はその部分にチカッと一瞬だけ鋭い痛みを感じ、一瞬だけ意識が下半身から逸れた。
 雪のようになめらかな透き通った膚に、紅い痕がくっきりと刻まれている。さながら白い膚に散った梅の可憐な花びらのようである。
「綺麗だ。まるで紅い花が咲いたようだ」
 ユンがうっとりと呟くのに、明姫は恨めしげに言った。
「痕を残したのですか?」
 思わず涙ぐんだ明姫をユンが面白そうに見る。
「別に誰にも見せるわけではないのだから、良いだろう? それとも、私以外の男にこんな風に素肌を見せるのか?」
「殿下の意地悪」
 明姫がまたしてもうっすらと涙を浮かべた。ユンが少し笑った。
「ごめん。閨の中で乱れるそなたも、こうやって涙ぐむそなたも物凄く可愛いから、つい苛めてしまった」
「夢のようです。殿下とまた、こうしてお逢いできるなんて考えてもみなかった」
 明姫は先刻まで拗ねていたのを忘れたように呟き、ユンの逞しい胸に頭をもたせかけた。
「可愛いことを申す奴だ。そんな男を嬉しがらせることばかり言っていると、本当にどうなるか判らないぞ? このまま押し倒して壊してしまいほど抱きたくなるかもしれない」
 ユンの声がいっそう艶を帯びる。
「構いません。殿下の腕の中でなら」
 明姫が潤んだ瞳で見上げると、ユンが不敵な笑みを刻んだ。
「もう我慢できない」
 ユンが呟き、明姫の口を塞いだ。舌を絡め合いながら、ユンは今までになく烈しく下から突き上げてくる。抽送は次第に勢いを増し、明姫はユンの肩に両手でしがみつき、彼の一方的な責めに堪えた。
「あ、あ、あぅっ」
 際限なく続くかと思われた甘い責め苦もついに終わりを迎える瞬間が来る。
 ユンの動きがいっそう烈しさを増し、彼が腰を幾度も強く打ちつけてくるようになった。次の瞬間、明姫の内奥がひときわ強く収縮しユンを締め付け、ユンは?くっ?と小さな声を上げた。ユンのものが大きさを増し、熱い飛沫を飛び散らせると、明姫がか細い肢体を戦慄(わなな)かせた。
 最奥で拡散してゆく熱い液体が蜜壺にまで溢れ、膣壁を濡らして滲み込んでゆくのにもぞくぞくするような気持ち良さを感じてしまう。ユンは自分が放ったばかりの液体を明姫の奥壁により滲み込ませるように、ゆっくりと腰を動かし続けた。
 
 三度の絶頂を立て続けに迎えた明姫は、その直後、意識を手放した。ユンは久しぶりに満ち足りた想いで薄い夜具に横たわり、腕には明姫を抱いていた。
 半月前、明姫の顔を二年ぶりに見たときも思ったことだけれど、よくもこの女の顔をこんなにも長く見ずに過ごせたものだ。
 もう、離さない。彼は明姫を抱く腕に心もち力をこめた。たとえ都から馬を駆って一日を要したとて構うものか。これからは宮殿を抜け出して、ここに来よう。
 それにしても、と、彼は傍らの明姫を見つめ、その漆黒の髪を撫でた。あまりにも烈しい情交のせいで、明姫が気を失ってしまったのは実はこれが初めてではない。
 宮殿にいる頃も、ユンの一途な激情は明姫を一夜に幾度も求め、明姫が意識を手放したことは珍しくなかった。酷い話だが、交わりが烈しすぎて、翌朝、明姫の腰が立たず翌日中、彼女が床の中で寝て過ごさなければならないときさえあったほどだ。
 宮殿にいた二年前は、まだ外見にも身体にも未成熟な稚い部分があったのに、今はどうだろう。元々形は良くこぶりだった乳房はすっかりまろやかに大きくなり、腰から臀部にかけても女性らしいふくよかさが見られるようになっている。
 相変わらず細いしなやかな肢体に、全体的な女性らしい優しさが加わったとでもいえようか。まだ幼い少女の身体を開くのも男としては堪らない悦楽ではあったけれど、今、まさに女として花開き成熟の瞬間を迎えた女体に溺れるのは至福といえる。
 これで二年ぶりに抱いた明姫の秘所が慎ましく閉ざされていなければ、誰か別の男に抱かれ続けて花開いたのだと勘違いしてしまうところだ。それほどに彼が知らない間、彼女の身体は成熟を遂げていた。
 もっとも、こんな話を本人にすれば、明姫は白い頬を熟した林檎のように染めて嫌がるに違いない。ユンがわざわざやって来るのは、彼女と過ごす濃密な交わりの方が目当てだと泣き出すかもしれない。
 もちろん、それもないとはいえない―というより大いにあるかもしれないが、やはり一番は明姫自身に逢いたいからだろう。泣き虫で優しくて、その癖、負けず嫌いで正義感が強い明姫。自分のことより他人の心配ばかりする娘。