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何度でも、あなたに恋をする~後宮悲歌~【完全版】

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「知りません、そんな恥ずかしいことを言わないで下さい」
 拗ねた口調で訴える自分の声に、隠しようもない媚がたっぷりと含まれているのが解り、更に明姫の体熱が上昇した。
「これだけ男を迎え入れて、嬉しがっておいて、何も知らぬ初(うぶ)な娘のふりなど今更ではないか?」
 明姫は意地になって何も言わない。
「そなたはこれが大好きなのだろう?」
 ほらと、耳朶を熱い舌でペロリと舐められ、明姫は軽く身を捩った。彼の徴(しるし)を内におさめたまま動いたために、彼自身を余計に奥深くで受け容れ、更により強い刺激を受けることになってしまった。猛り立った彼自身が明姫の最も感じやすい箇所をこすり上げる。
「あぁ―ぅ」
 どうやら今夜のユンは明姫自身の声や姿態に煽られる一方のようだ。
「可愛い声で啼いたな。ご褒美に良いことを教えてやろう」
 ユンが背後から抱きしめていた腕を放し、明姫の両手に自分の腕を添えた。
「ほら、自分でやってごらん」
「ユン、何を?」
 声に訝しげな色を滲ませた明姫に、ユンが含み笑う。熱い吐息が耳朶に吹きかけられただけで、妖しい官能の波が四肢を駆けめぐる。そのせいで明姫の肉筒が引き絞られ、ユンは一瞬?くっ?と呻いた。
「あまり締めすぎるな。さもければ、そなたより私が先に達してしまいそうだ」
 男として、先に自分だけが達するのはやはり自尊心が許さないらしい。
「こうやって、自分でやるんだ」
 ユンの手が添えられた明姫の両手はまろやかな乳房を下から持ち上げるような格好になった。ユンは無言のまま、手を動かす。彼の手の動きに連動して、明姫は自分の手で乳房を掬い上げ、捏ね回し揉みしだくことになる。
 時には指先でキュッと力をこめて先端を押したり、乳暈を円を描くようになぞってみたり、いつしか明姫はユンが手を放しているのも気づかず、自分だけで夢中になって手を動かしていた。
「あぁっ」
 快感にずっしりと重みを増した先端の突起を自分で押し潰した刹那、ひときわ鋭い快感がそこから下半身を一直線に貫いた。
 その拍子に、明姫の中が彼をきつく締め上げ、ユンの動きが猛烈に速くなった。下から幾度も烈しく腰を打ちつけられ、互いの淫液が混ざり合った水音が夜の闇に妖しく響き渡る。
 何度か腰を烈しく突き上げた後、ユンは熱い飛沫を明姫の奥壁で撒き散らした。
「ぁ、ああ」
 濡らされてゆく。隙間もないほどみっちりと奥を満たした彼が明姫の奥を濡らすのだ。彼自身が放つ淫液が折り重なった襞と襞の合間に滲み込んでゆくのですら、感じてしまう。
 明姫は満足げに吐息を吐いた。
「明姫は随分と嫌らしいんだな、今まで何度となく身体を重ねてきたが、そなたがここまで奔放だとは知らなかった」
 そのひと声に漸く我に返り、明姫は真っ赤になった。
「一人でやるのがそんなに気持ち良いのか?」
「殿下の意地悪」
 プイと顔を背けると、ユンが小さく笑った。
「そなたは可愛い。本当についまでも変わらぬ」
 言い終わらない中に、明姫の中に入ったままの彼が再び重量を増した。既に二度も達したとは信じられないほどの大きさだったものが更に硬度と大きさを増している。
 ユンが再び動き始めた。
「あ―あぁあ―っ!」
 隘路をこすり上げられ、圧迫感とともに別の感覚がゆっくりと襲ってくる。
 狂ってしまう、このままでは自分がどうにかなってしまいそうだ。それほどの深い快感が明姫の全身を雷土(いかづち)のような貫いていた。それはまさに、紅蓮の焔に全身を灼き嬲られるのもにも似ていた。
 自分でも信じられなかった。懐妊中なのに、こんなに感じてしまうなんて。一瞬、腹の子に悪影響はないのだろうかという想いがちらりとよぎったけれど、そんな思惑もすぐに次に来たより烈しい快感の波に呆気なく飲み込まれてしまった。
 ユンが彼女を後ろから抱きしめたまま、乳房を捏ね回し揉みしだいたのだ。
「あ?」
 不意打ちに、明姫の身体が反射的に逃げを打とうとする。ユンはそれを逃がすまいとしっかりと背後から押さえつけ、一切の動きを封じ込め、なおも執拗に明姫の乳房を嬲った。
 しなやかな指先が明姫の円い乳房をすっぽりと包み、形が変わるほどに烈しく揉み込む。
「あ―ぁあっ」
 内と外から押し寄せる悦楽に揺さぶられ、明姫は涙を振り散らし、喘いだ。
「愛している」
 そのひと言とともにユンが達し、明姫も後を追うように達した。またしてもユンが撒き散らす熱い飛沫をまともに浴びせかけられ、濡れていく感覚にか細い身体を戦慄かせる。
「私も心から愛しているわ、ユン」
 今、このときばかりは国王と側室ではない、ただの男と女。だからこそ素肌で抱き合い、これ以上はないほど奥深い部分で繋がり合って本音を囁ける。
 こんなに好きになるだなんて、あなたに初めて出逢ったときは想像もしなかった。私があなたを大好きなことを、あなたは知っている? きっと、あなたが考えている以上に、私はあなたを愛しているわ、ユン。私だけのあなた。
 明姫は心の中でユンに呼びかける。
「明姫、時折、私は思うのだ。もし、そなたと出逢っていなければ、私にもそなたにももっと別の生き方が待っていたのではないかと。私には、そなたのいない人生など考えられないが、そなたはどうなのだろう。私と出逢ったことで、そなたが後悔していなければ良いと―馬鹿げたことかもしれないが、そんなことを考えるんだ」
 国王はただの一人の男である前に、王でなければならない。時には私情を切り捨て、冷酷な決断を下さねばならないときもある。そのことを、明姫は廃妃事件のときに嫌というほど知った。
 あのときもユンは本当は明姫を救いたかったのに、私情を殺して廃妃として流刑に処したのだ。彼が今、そのことを言っているのであろうことは明姫にも判った。
 だが、明姫は彼と出逢ったことを後悔したことなんて一度もなかった。彼と出逢わない平坦な人生などに何の意味があるだろう。彼と出逢ったからこそ、彼の側で生きられたからこそ、明姫の人生はより生き生きと輝きを放ったのだ。
 誰かを好きになるということ、愛し愛されることの歓びもすべてこの男が教えてくれた。彼と出逢ったことに感謝こそすれ、悔いた憶えはない。
「明姫は今、ここで死ねと言われても何の躊躇いもないほど幸せです」
「―」
 ユンがハッとした表情になった。
 ややあって、彼の大きな手のひらが明姫の艶やかな髪を愛おしむように撫でた。
「不吉なことを申すでない。そなたが私の側からいなくなる。そう考えただけで、気が狂いそうになる」
「申し訳ございません」
 素直に謝ると、抱き寄せられた。ユンの身体に体重を預けながら、明姫は軽く眼を閉じる。
 これが最後の夜となっても構いはしない。生涯にただ一人、心から愛した男の腕に抱かれ幾度も貫かれ、その歓びにむせび啼き、彼女は一片の後悔もなかった。

 その数日後、いつものように王のお渡りがあるとの先触れが届いた。夕刻、少し早めの夕餉を済ませた後、明姫はヒャンダンの介添えで湯浴みを済ませる。薔薇の花びらを浮かべた湯船に浸かった明姫の白い身体をヒャンダンはこれでもかというほど丹念に磨き上げ、仕上げに香油を塗り込む。