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言の寺

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絶望psychology――めめ!



夢を見た

夢を見た

夢を見たのは眼球だ

この眼球が夢を「見た」


「僕は夢なんて見ていない」


僕のあずかり知らない夢を
この眼球は見てきたようだ

僕は眼球に嫉妬した

それは

眼球が見たのがいわゆる
夜眠っている間に見るあの夢ではなくて

未来とか光とか恋人とか……
世界のどこかにあると云われる……
「誰にでも優しい場所」に由縁する



であったからだ

「僕はこの眼球を憎む」

それこそ僕が眠っている間に
僕が生理現象としての夢に微睡んでいる隙に

「この眼球は……」

僕とは何の関係もなしに――
希望を宿して綺羅綺羅と輝いていたのだ

*****

「だからです。僕がこの眼球を抉り出したのは……」

――その説明で十分でしょう?

作品名:言の寺 作家名:或虎