Parasite Resort 第一章
そうして、旦の中、記憶の領域に何か熱い意志の塊が侵入してくる。旦は、強い意志でそれを拒もうとする。
視界がブラックアウトする。
旦の意識は、自らの記憶領域に入り込んでいた。それは深海に似た空間であった。泳ぐ動作で推進していくと、彼方に赤い光が見えた。
(アザゼルだな)
血に光を与えたような色合いで、暗暗と輝いているのは、アザゼルの存在が放つ光に違いないであろう。旦は全力で後を追う。
アザゼル――自らの内に巣食う、寄生体精神――堕天使――遥か先に見える赤い光点。
作品名:Parasite Resort 第一章 作家名:或虎