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キミは…ダレ?[外出編]

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縄暖簾をくぐる時間では まだ無いけれど、キミの下を通るのは、少しばかり緊張するよ。
見事な模様を 空中に描く芸術家だね。

植え込みの木と木の距離は、どう測ったの?
途中で、途切れるかもしれないって不安はないの?
思い切り吐き出すのか、出し尽くすのか キミのその一瞬の作業は、神業だね。
おうち訪問って よく見てもいいかな。
こんな垂直に ほぼ円形の円網を作るなんて、建築家でもなかなか思いつかないし、あったとしても 住むのは無理だな。
そのまん中に、絶対の居場所とばかりに陣取り、来客を迎える。

その網目に施された白い模様のようなものは なに? お洒落だね。
隠れ帯っていうのか… キミの姿を 見落とすところだったよ。
その美しい身体のを大きく見えるようにカモフラージュしてるのか。
ヒトの中にもいるよ。年末に機械を背負ってるお姉さん。あのヒトも、まん中でじっとしてるんだよ。
いっしょにしないでって…… ごめん。

黄色と黒の横しま。とってもボーダーが似合ってるよ。
足はやや太めだけど、すらりと直線的な足は 細いだけじゃなくって色気があるよ。
ごめん、ごめん。褒めているんだよ。

名前くらいは、知っててあげよう。なに? コガネグモ そっか…… え、ジョロウグモじゃないの?
キミは、初夏のにおいがいいっていう。ジョロウ姉さんは、秋風が好みなのか。なんだか似合うね。
あれ?妬いたの……なになに 内緒の話? カノジョのように 毒はないって……そうなんだ。
それに折れ曲がった工事現場のポールみたいな足と 間違えないでってか。確かに 本能的に危険を感じるな。
近づかない方がいいかもしれない。 

あれは、キミのカレ? そう、其処に居る茶色の。キミよりずいぶん小さいね…五分の一くらいかな。
じゃあ、行くね。
デートの邪魔をするほど 野暮じゃないよ。

作品名:キミは…ダレ?[外出編] 作家名:甜茶