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Magic a Load 2

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アンディは一度は見せてと言ったものの、そんなモノを彼がそう簡単に見せてくれるはずがなかった。大体、ジェイコブはシンが嫌いだ。シンが嫌いな理由は多分、シンがリチャードと同じ大学へ通っているから、というくだらない理由だろう。
と気がつけばアンディは頭の中でジェイコブの事をごちゃごちゃと思わず考えてしまっていた。
(しかしそんなジェイコブが今の自分にとっては可愛い人物に見えている、という事だけは彼自身の中にひっそりとしまっておこうと思った。)
これは多分、今の現場がこんな事になっているからこんなジェイコブでも自分の中での気休めなのだろうとアンディは何度も心の中で呟く。
がアンディははっとした表情をし現実に戻された。身体が重いくせに両足の震えがガタガタと痙攣するように震え始めた。
アンディの耳に発泡スチロールに爪を食い込んでいるような音が響く。そしてそれから背筋にはさっきよりも深い熱気がアンディの背中に伝ってくる。
アンディは喉仏を鳴らし生唾を飲み込み後ろを振り向いた。アンディは振り向いたと同時に大声で叫んだ。
そしてアンディが叫んだと同時にジェイコブが目を手の甲で擦り覚ますとジェイコブは自分の身体に痛みを感じた。
アンディは叫んだと同時に体勢を崩し床に倒れ込んだ。アンディはジェイコブを肩に背負っていたのでジェイコブも床に身体を強く打ち倒れ込んでいたがジェイコブは痛みと同時に目を覚ましたのだ。
ジェイコブは状況を良く掴めなかったが眉間に皺をいっぱいに寄せ自分の隣に両手を広げ倒れ混んでいるアンディと目の前にはさっきから付き添っていた手下のゴブリンを交互に見る。
「・・・・で、コイツ・・なんでこんな変な顔して寝てるんだ?」
ジェイコブは頭を掻き手下のゴブリンに聞いた。手下のゴブリンは両手を合わせよそよそしい声で言った。
「いえ・・・多分ですね・・・私めを私めのご主人様だと勘違いされたのかと。」
ジェイコブはまだ状況が掴めておらず自分の身体を起こし胡座を掻き首の後ろをポリポリと掻き手下のゴブリンに目で訴えた。
しかし手下のゴブリンはジェイコブが気にかけている事を言おうとはせずに肩を竦め言った。
「・・・今はご主人様のご機嫌があまり宜しくないので、あなたたちには申し訳ないのですがまた洞窟の牢屋に戻ってもらいます。」
「ちょっと待て・・・俺の答えはそれが欲しかったんじゃないんだけど・・・っ・・」
ジェイコブはひいっと声を上げたかったがそれもできず力強く首を絞められると手で相手の腕を叩き合図するが手下のゴブリンは力を緩めただけで首から手を離そうとはしなかった。
そしてジェイコブを脅すような目つきでみていつもより低い声を出した。
「ご主人様の命令は絶対です・・・。だから、早く牢屋へ戻るのです。私もご一緒しますから・・・。」
ジェイコブが手下のゴブリンの言葉に同意したのを確認するとジェイコブは少し宙に浮いていた身体を再び床に身体を崩れ落とす。
そして今度はジェイコブが身体が重くなったアンディを肩に抱え引きずりながら手下のゴブリンと一緒に牢屋へと向かった。

牢屋へ案内されるとジェイコブの目に今、映っている牢屋はジェイコブが想像している牢屋とは全く異なっていた。
淡いオレンジ色のライトが壁には掛けられている。これはさっき巨大なゴブリンと一緒に食事をした時に見かけたのと一緒の物だが。後の風景はこの淡いオレンジ色のライトがなければ中は真っ暗闇で床は岩でゴツゴツとしている。壁側の下の方にまで大きな真っ黒い岩がゴツゴツとある。
アメリカの牢屋でだったら悪臭は漂うだろうが最低でも二段ベッドと流れるのか分からない小さなトイレぐらい配置はしてある。そして修道院が時々、パンを持ってきてくれたり。
でも此処にはそのような雰囲気は一切ない。
その牢屋を見ればジェイコブの気分は余計に暗闇へと陥る寸前になった。でもジェイコブはあえて此処でアンディは目を覚まさなくてもいいのではと思わず心の中で呟くように思ってしい自然と深いため息も出るとジェイコブの背ですやすやと気持ちよさそうに寝息を立てているアンディを見つめた。
アンディは誰よりもファンタジー好きだ。この牢屋を見ればハイになるに決まってるんだ。
その事を思うとジェイコブの気分は倍重たくなった。

牢屋の入り口付近で佇んでいると同行していた小さなゴブリンがジェイコブの腕をガサツに押す。ジェイコブは不安げな表情で小さなゴブリンの方を勢いで振り向いた。
が小さなゴブリンは無駄にキラキラと金色に光っている大きな鍵で牢屋を閉めているでなないか。
ジェイコブはその小さなゴブリンに慌てて駆け寄る。
「ちょっ、待てよって!!!お前は?お前も一緒に居てくれるんじゃないのか?!」
小さなゴブリンはジェイコブの方を一度視線を向けるがすぐに牢屋の鍵穴から離したばかりの鍵をジャラリと音を立ててはそれをゴツゴツとしている手の平に投げ握り少し間を空けてから口を開いた。
「、、何故ですか、、?何故、私めまであなた達と牢屋で過ごさないといけないのですか?私めだってようやく、、、」
小さなゴブリンは言葉を鈍らせると咳払いをした。ジェイコブは眉間に皺を寄せ小さなゴブリンを見つたまま。
「、、何か言いたそうだな、、その顔、、その言葉の続きは何だよ、、?野球してる野郎の鋭さをなめるなよな?」
小さなゴブリンはほっそりした目を瞬きさせジェイコブを見つめ返す。その目はジェイコブとアンディを見てはさらに何か言いたげな目と変わっていったが小さなゴブリンは続きの言葉は発しようとはせずただ顔を横に振るだけでその場から背を向け姿を消して行った。
ジェイコブはその小さなゴブリンに思わず叫んだ。
「おい!!何で何も言わないんだ!!!!おい、お前待てって、、!」
ジェイコブは思わず牢屋の柵を掴んだと同時に背負っていたアンディを忘れていた。アンディはジェイコブの背中から見事に転び落ちる。
アンディは硬く真っ黒なゴツゴツとした岩に背を当てると背に走る激痛で声をあげその自分の声で目を覚ます。
「痛ってぇ、、。あれ?、、ココ何処?ステーキは???」
ジェイコブは眉間に皺は寄せたままさらに困った表情でアンディの方へと振り向く。アンディは頭を掻きながら自分の体を起こさせ周囲を見渡す。するとすっとんきょんと嬉しさが混じった声を上げる。
「うっそ!マジで?!ココ、"牢屋"だろ?!すっげぇ!こんな場所本当にあるんだ!僕、ココに一度は住んでみたいって思った事があったんだけどさ!うわ!!!凄い!」
ジェイコブは"やはりか"という表情で肩をがっくりと落としため息をついた。そしてジェイコブの表情は徐々に呆れ果てていく。
「おいおい、さすがにそれはやばいだろ、"人"としてどうなんだよ?」
ジェイコブは額に手を当てさらに深いため息をつく。しかしアンディのテンションはさらにハイになっていた。彼は両手を岩床に付き四つん這いの格好をし何をしているのかというと鼻の先を岩に近づけさせ匂いを嗅いでいた。
彼は正気だろうかという表情でジェイコブは澄んだ目で彼をただただ見つめていた_______

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作品名:Magic a Load 2 作家名:悠華