星の降る夜
星っ子はもっともっと高い
そしてもっと遠いところを見つめていた。
「今日はずいぶん星が出てるなぁ。
こんなとき流星に乗って
ドライブすると最高なのに。
馬力のある流星なら
宇宙を一周するのもあっという間なんだぜ。」
あたしも星っ子の視線を目で追ってみた。
「あの満天の星たちに
紫やオレンジの色をつけるのもあなたなの?」
「そうさ。でもぼくら星っ子は
まだ星くずにしか色をつけられないんだ。
もっとオトナにならなきゃね。
上手になると
虹に色をつけることもできるんだぜ。
これはむずかしいから
試験に合格しなきゃだめなんだけど。」
笑いながら星っ子は
筆に絵の具をつけて
色を塗るマネをしてみせた。
「あたしもあの星のかけらがほしいな。。。」
それは声には出さなかったのだけれど
星っ子には心の波動が伝わったみたい。。。
「ん…と、それはどうかな。
だってこの地球に落ちてくると
星はただの石ころになってしまうんだよ。
星の魂がぬけちゃうんだ。
星はこの地球では生きてはいられない。」
そういった星っ子の瞳が
どんな青よりも蒼くて碧い
もっと深くて澄んだ色に変わった気がした。