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星の降る夜

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 「地球が汚れてしまったからなの?」

三日月をやさしく撫でながら
少しうつむき加減で星っ子はこう答えた。

 「それもあるかもしれないね。
 何千年も何億年もむかし
 地球がもっともっと蒼かった頃
 いろんな生き物や
 めずらしい木や花があったって話だから。
 実は今ぼくはちょっと息苦しい。
 悪いけど…ここの空気はちっともおいしくないね。」

 「そうね、あたしもそう思うときあるわ。」

 「この前惑星を担当しているおじさんが
 地球のお掃除だけは追いつかないってぼやいていたよ。」

空いっぱいに星が溢れて
どんどんどんどんこぼれ落ちる。

こぼれ落ちた星たちは
いったいどこへいくんだろう。

地球に落ちてきた星は
本当に息苦しくなって
死んでしまうのかしら。。。

うちの庭に転がっている石ころは
もしかしたらそのむかし
この空の彼方で
美しく輝いていた星だったのかもしれない。

そしてかすかに息づいていて
こんな星の降る夜に
誰にも気づかれないように
こっそり光ったりするのかな。

星空の神秘がいろんな想像をかきたてて
胸の中に小さなメルヘンが生まれた。
作品名:星の降る夜 作家名:遊花