星の降る夜
“そんなあなた”がここにいるわけはわかったけど
わかっちゃうと余計に不思議なこともあるもの。
「それであなた…その雲の上で何をしてるの?」
星っ子はさっきから
あたしの髪を撫でている。
「ぼくの仕事?そうだね。いろいろあるよ。
春になって寝てる虫たちを起こしてあげたり
草や木に花をつけたりするのは得意なんだけど
あの寒い夜に白い玉を降らせるのは苦手かな。
あぁ、帰ったらバツ当番が待ってる。
汚れた星くずを磨かなきゃ。。。」
ふと気がつくとあたし
三日月の上に座ってた。
赤や黄色、むらさき…
いろんな星たちが足下で光ってる。
手を伸ばしてそっと
星くずをすくってみた。
さらさらとまるで砂のように
指と指の隙間から
星くずたちがこぼれていく。
「この星たちがキラキラ輝いているのは
あなたのおかげなのね?」
星っ子はその星くずたちをごくりと飲み干した。
「そうだね。いたずらばっかりしてるから(笑)」