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人でなし?

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『撃て!!!』

 隊長の命令があった次の瞬間、アンドルーズたち兵士たちの自動小銃と歩兵戦闘車の機関砲が火を噴く。今日駆除してきたリザードマンと同様にすぐにミンチだと、隊長は思った。他のアンドルーズたちもそう予想していた。そして、また次の現場に行くのだと……。

 ……しかし、彼らの予想は外れた。脂肪がたっぷりとついた大男だったことが災いし、そのリザードマンの硬いウロコはさらに厚かったようだ……。機関砲の砲弾は、ダメージを少し与えられていたようだが、自動小銃の弾はすべて、緑色の硬く厚いウロコに跳ね返されていた……。
『機関砲を撃ち続けろ!!!』
機関砲だけで対処することになり、隊長は焦る。だがすぐに隊長は、さらに焦ることとなった……。
 リザードマンが反撃しようと、鋭いツメを振り回しながら突進してきたのだ……。
『グハッ!!!』
『ギャ−!!!』
『ガッ!!!』
兵士たちが次々に、リザードマンにツメで斬殺され、インカムから届く断末魔の悲鳴が、現場に1人残された隊長に恐怖心を植えつける……。
『クソッタレ!!!』
隊長は悪態をつくと、拳銃をリザードマンに連射し、弾切れになるまで撃ちまくる。当然だが、自動小銃の弾でも貫けないウロコを、拳銃弾が貫けるはずは無かった……。
『ク』
隊長がさらに悪態をつくのを、リザードマンは自慢のツメで止めた……。隊長は、首をばっさりと切断され、持ち主から飛んだ生首は車両に当たり、地面を転がる……。
『おっと、ビックリした!』
バーナードはそう言うと、アンドルーズのほうを向き、
『アンドルーズ、おまえが代わりの隊長だよ』
バーナードが隣りにいるアンドルーズにそう言うと、銃眼をのぞいていたアンドルーズは、
『危ない!!!』
そう叫び、銃眼から離れた。バーナードはどうしたのかと不思議に思ったが、

   ガキィキィキィーーーン!!!

金属を斬り裂く音と激しい痛みが、彼に解答を与える。なんと、リザードマンが、歩兵戦闘車の硬い装甲を斬り裂いたのだ。横殴りのそのツメは装甲を貫通し、バーナードの左腕に深めの切傷をつくる……。
『ウッ!!!』
彼は、大きめの切傷を負った左腕を押さえた。できた裂け目から、外にいるリザードマンが見える。
『砲手!!! さっさと撃て!!!』
アンドルーズがそう叫ぶと、自分の身も危ないと感じていた砲手は、機関砲をリザードマンにひたすら撃ちまくる。
 連発を続けていた機関砲がオーバーヒートして止まると、リザードマンは肉片の山と化していた……。なんとかリザードマンを倒せたわけだが、戦死者が隊長を含めて4人も出てしまった。それに、
『チクショウ!!! 感染しちまった!!!』
左腕に切傷を負ったバーナードが、これ以上無いほどの悪態をついていた……。

 なぜなら、リザードマン化するウィルスは、傷口から感染してしまうタイプなのだ……。

作品名:人でなし? 作家名:やまさん