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Minimum Bout Act.03

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「地球に行くっつっただろ?」
 相手はもちろんルーズで、口調が申し訳なさそうだ。
『急いで戻ったら2人共いないから、地球に関して取りあえず調べてみたんだけど』
「置いていくって言っただろうが、で? 相変わらず話しが早くて助かるが、何か分かったのか?」
『半年程前に、何者かがエンド政府のセキュリティを通って地球へ向かった痕跡を見つけたわ』
「一度だけか?」
『多分3回。航行ルートは宇宙船が安定して地球へ入る軌道上にあるけど、政府が管理している範囲は広いわ。その一部のデータがほんの一瞬だけ上書きされてる……こちら側から地球への往復で2回、そして最近地球へ向かった1回。エンド政府調査団が地球へ向かったのは分かってるけど、政府のデータをこれだけ功名に隠せるってことは、また組織が関係してるんじゃないかしら』
「ーーーなるほどな。また組織か。っとに最近あれだな、相思相愛?」
「誰と誰が相思相愛なのっ?」
「わあっ!?」
 突然後ろからセイラが抱きついてきて、カッツは前のめりに倒れそうになる。
「誰と話してるのよ? ねえ、相思相愛って何!?」
「うっせーな! 大事な話ししてんだ、邪魔すんなっ!」
『……カッツ、怒鳴らないで、耳が痛い』
「あーもう、取りあえず詳しく調べてまた連絡しろっ、じゃあな!」
 ブツリと通信を切り、セイラを引き離しながらカッツは後ろで涼しい顔をしてマンゴーをかじるシンを睨む。
 どうあっても助けてくれる気はないらしい。
「お前はいい加減にくっつくな! ただでさえ暑いってのに」
「もう、何よ!? 今話してたのって、もしかしてルーズとかって女でしょ?」
「だったら何だよ」
「どんな女なの? まさか付き合ってるの?」
「んな訳あるかっ! 死にかけてたのを偶然拾って、そのまま何故か居座りやがったんだよっ!」
 死にかけてたのを偶然拾ったのは事実だが、別にルーズが自らMBに居座った訳ではない。
 記憶をなくしたルーズには行く場所が無かった。そのため、カッツとシンは雑用をやらせるためにあの廃ビルに住むことを勧めたのだが、ふたを開けてみればとんでもない知識力を持っていて、こと機械に関しては簡単に政府のコンピューターをハッキングしてしまうほどだった。おかげで今までのMBの仕事が、ルーズが来てからというもの見事に早くなったのは言うまでもない。
「シンっ!?」
作品名:Minimum Bout Act.03 作家名:迫タイラ