Minimum Bout Act.03
「な、なんだ?」
食べ終えたマンゴーの皮を捨てた所で急にセイラが振り返り、カッツを指差しながら眉を吊り上げた。
「ルーズって女とカッツには本当に何の関係もないの!? 正直に答えてよ!」
セイラと対面してから、何度吐いたか分からないため息を深く吐き出し、シンは頷いた。
「ある訳ないだろ? 大体カッツの事をカッコいいと思ってる女はお前くらいだ」
「本当の本当に?」
「おいこら、そこ!」
シンの聞き捨てならない言葉にカッツが怒る。
「心配するな、本当の本当にない」
シンの答えに満足したらしいセイラはあっという間に満面の笑みになると、まるでスキップでもするようにカッツの隣りへと走った。
「カッツ、ルーズの写真ないの? どんな女か見たいわ~」
「なんで俺がルーズの写真を持ち歩かないといけないんだよっ!?」
作品名:Minimum Bout Act.03 作家名:迫タイラ