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Minimum Bout Act.03

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 カッツとシンとセイラはブルースの店の道路に突き出したオープンカフェで昼食を摂りながら話していた。
 セイラによると、先月地球へと向かった調査団と3日前から連絡が取れなくなったのだという。
 人類が地球から宇宙へ逃げ出して約200年。何故か本格的な調査を行って来なかったエンド政府だが、最近やっと動き出したらしい。
「そうなの。地球って、あたしたち現代人からしてみれば未知の星でしょ? エンド政府としてもやっぱり人間なんだから地球でまた暮らしたいって気持ちが強いのよ。あれほど生物が生存するのに適した環境の星なんてどこにもないんだもん! ロマンよねえー。もう今じゃ地球に住んでいた頃に生きてた人は残ってないけど、やっぱり実際に見たいわ! あたしも地球に調査に行きたかった~」
「セイラ、話しが逸れてる。で? いなくなった調査団を探して欲しいという事なのか?」
 瞳を輝かせて地球へ思いを馳せるセイラに、シンが冷静に尋ねる。
「あ、そうなのよ。政府側から捜索隊を派遣したいけど、今ちょっと人手不足なのよね。それで、あたしが知り合いに頼んでみますって言ってここに来たの」
「政府のくせに人手不足って何だよ。お前が行ってくればいいだろ? それにたった3日連絡が取れない位で騒ぎやがって。磁場の関係で通信状況が悪くて連絡出来ないだけかも知れないだろ?」
 面倒臭そうにカッツが言うと、セイラは首を横に振る。
「あたし1人じゃ無理よ。だからカッツにお願いしてるのに! それと通信だけど、あたしたちが通信で使っている無線は特殊なの。地球の現在の環境が200年前と劇的に変化している事と言えば人類がいない事と環境汚染が止まっている事くらいよ。オゾン層も復活しているし、かなり安定しているの。だから急に通信が出来なくなるなんておかしいのよ。それに……」
「それに?」
「最後の通信の時に、銃声のような音が入ったらしいの。私たちは一応獣対策用に銃は携帯しているけど、その銃声は私たちが持っている銃とは違う音みたいだって」
「他にも地球に行っている奴らがいるってことか」
 ぼそりとシンが言うと、セイラは無言で頷く。
作品名:Minimum Bout Act.03 作家名:迫タイラ