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Minimum Bout Act.03

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 色々と尋ねたい事はあったが、痛みで言葉も思うように出て来ない。カッツは少女の気配が近くから消えた事を確認すると、もう一度辺りの様子を伺った。
 自分が寝ているのは少女が寝床として使っているのだろう、やけに気持ちのよい寝袋で、下にはクッションになるよう何か軟らかいものが敷いてあるようだ。
 自分が落下した地点はかなりの標高だったはずだ。地図ではサバイバルを行なっていた中心地点からかなり外れている。仲間が一人助かったはずだから、応援を呼びに行ったかもしれない。
 少女がカッツを担いで遠くまで来たとも思えないため、落下した場所からそう遠くない洞窟だと推測出来る。
 はたと思考を止めた。
 先ほど少女はここで仕事をしていると言ったが、仕事とは一体何の事だろう。
 標高の高い寒冷山岳地帯で、少女が行なえる仕事などあるのだろうか。
 目がかすんでいるため少女の顔ははっきりと見えなかったが、声質やしゃべり方、歩き方などで同年代くらいの少女だと分かった。が、カッツの中には次から次へと疑問が浮かんだ。
 いつ戻って来るのだろう。色々と聞きたい事があるのにーーー
 そう心の中で考えながら、カッツは再び眠りに落ちた。


作品名:Minimum Bout Act.03 作家名:迫タイラ