小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
麻生 優雨
麻生 優雨
novelistID. 46174
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

恋していいかな。

INDEX|2ページ/11ページ|

次のページ前のページ
 

山奥についた少年はそのまま神社の蔵の中に入っていった。

心はすでに枯れて、身体は傷ついていた。
刀でやられた擦り傷ばかりがめだっていてその白い美貌は
真っ赤にそめられていたのであった。
少年はそのまま誰かの影を見ながらそのまま気を失ったのである。

「朝ですぞ。おきてくださいな。」
誰かが自分を呼ぶ声が聞こえる。
でも少年は寝ぼけ眼でまだ頭がまわっていなかった。
「ほら、外は鳥のさえずりや朝日が目立っておりますぞ。さあ起きなされ。」

何回か身体をゆすられて起きた。
和尚「やっと起きましたか。さあ外は朝ですぞ^^」
少年はとっさに身構えた。
和尚「そんなに警戒なさらなくてもよいですぞ。ここは神社。神聖なる場所で殺し合いなどしませんし、私は僧、殺生はしないたちですので。」
そういわれると少年はほっとした。この時代だからなんも危険はないとは言えないのである。

そして少年はビックリした。あんなに傷だらけだった身体がかさぶたも無しに治っていることに驚いたのだ。
「なぜ?」少年はそうつぶやいた。
和尚は「何用でここに舞い降りにきたのですか?」ときいた。

少年は言えるわけがなかった。犬の化物になって人を殺してここまできたなんて。
少年はそのまま無言でいた。

和尚「なにか理由があったのでしょう。どんな理由でもいいです。私に話してください。楽になれますよ?」
少年は警戒しながらも迷いに迷って真実をいった。昨日何が起きたかを。
それを聴いた和尚は眉間にしわをよせることもなく、神様みたいな笑顔で少年の話をきいていた。
そして和尚は言った。「私にみしてくださいませんか?その犬の姿」

少年はビックリした。和尚からそんなことを言われるとは思わなかったのである。
でも少年は言うとおり醜い大きい犬へと変身した。

それでも和尚さんは顔色一つかえず、その犬をまじまじとみてこういった。
「あなただったんですね。山の犬の神、あなたが犬神様だったのですね。」
少年はよくわかんなかった。
「あなたはでかい犬を倒したのですね。なら話ははやいです。その魂はあなた様のこころに入りあなたは神として生きるサダメをうけたのです。」
「なぜ私が。神様を殺したっていうのですか?」
「そう、あなたは神様を殺し新しい神になったのです。ならばあなたはその命をまっとうしなければならない。」
「私がそんな。なんてことを。」
「悔いるならその犬神様の分まで生きることです。そのでかい姿なら不便でしょう。」
「そうですね。これでは街を歩くことすらままならない。」
「なら修業してその姿を人間のものにするのです。私がその方法を教えてさしあげましょう。」

そう言われ少年はものにするべく修業をすることにした。月日がいくつたったかわからない。
和尚は日に日に老けていくが、少年は18のままだ。
その若い様子はかわらず少年は純粋な瞳をしている。

そして数年が経ち、少年は修業を幾度となくこなした。厳しい試練を苦労しながら
乗り越えていったのである。
「どうでしょう。あなたはもうその姿なら犬になっても心配はないでしょう。」
「そうですね。ワタクシはこの姿なら怪しまれることもないでしょう。」

少年は普段の姿は普通の人間だが、頭に犬の耳、尻尾がでた妖怪へと進化していたのであった。
もちろん隠すことができる。そして少年は鍛練をやめず幾度の時が経つ。
作品名:恋していいかな。 作家名:麻生 優雨