恋していいかな。
それは突然の出来事だった。
私はただただあ然としてしまった。
あんなに会いたかった人が来るなんて。
しかも家の学校で、家のクラスで。
なんか恥ずかしくなってきた。
それになんなんだろう。この胸がドキドキする感じ。
先生「今日からお前たちの仲間になるから、仲良くしてあげろよ!
いじょう!今日のホームルームは終わります。」
先生の朝の話が終わり、生徒たちは転校生のほうへと皆眼差しが行く。
席はもちろん隣ってわけにはいかなかったけどでも私から見える位置だ。
生徒男子「なぁ!大上くん!どこからきたの?」
生徒男子「もしよかったら仲良くなろうぜ」
男子はもちろん仲良くなろうと話しかけてる。
大上くんもまんざらではないみたい。
大上っていうんだ。あのとき聞こえなかった名前だったのに。
今度ははっきり聞こえた。
女子は女子で顔がかっこよかったらしく、噂みたいに話してる人ばかり。
狙う人多いんだろうなー。
確かにかっこいい。しかも優しいし。
サツキ「莉央!なんかあのこどっかでみたことあるんだけど・・・・・・」
莉央「え!?きっ!きのせいだよ!」
サツキ「そう?」
莉央「う、うん!」
サツキにいとこだってばれたらなんか恋愛対象として相談できないし
ここはとぼけるのが一番だとおもった私はまた嘘をついてしまった。
ほんとごめん!サツキ!
そして授業が始まる。大上くんは普通に教科書を持って
勉強してるのがまためずらしい。
普通の姿なんて想像できなかった。なにせ祭りのときにしかみてないんだから。
私のこと覚えてるのかな。
私から話しかけるなんてなんか恥ずかしくてできない。
でもとられたくない。他の人と仲良くしてほしくない。
ってまだ付き合ってないのになに考えてるんだろう。
私って意外と独占欲つよい?
そうこう考えてるうちに授業は終わりいつの間にか
帰りのホームルームになった。
昼休みも大上くんはなにごともないかのように男子と仲良く
話したりしてて、皆と仲良くいっていけそうな雰囲気だった。
そして先生の長い話も終わり、帰る支度をしてサツキと帰ろうと言おうとおもったのだけど
サツキ「わるい!今日部活なんだ!ごめんね莉央!」
と言われて振られてしまった;;
サツキはバスケやってるからしょうがないよね。
そのまま落ち込みながら下駄箱に向かって歩いて行って
靴をとって落としてしめようと思ったら。
ガタン!
莉央「えっ!?」
太一「また会ったね。一緒に帰らない。」
私は偶然の出来事でビックリしてしまった。
なんでここにいるの?
やっぱり覚えてたんだ私の事。
莉央「え、その・・・なんか気まづくない?」
私は動揺してしまった。
太一「そう?僕はそんなに気にしないけど。」
莉央「でも転校した初日に女の子と歩いてるとこ見られると
チャライ男子って誤解されるかもよ?」
太一「え、僕はそんなチャラくないし!そんなん誤解解けばいい話だしー」
莉央「それが学校っていうとこは誤解を生むと変な噂が流れて
そこから噂が重なって自分の居場所がなくなるんだから。」
太一「へぇ・・・・現代ッ子こわい・・・・・w」
莉央「あんたも現代っ子でしょうが!」
太一「そっか(^^;」
やっぱこいつと話すと私の調子まで狂う。
なんか・・・楽しい。てか嬉しい。
太一「じゃあしょうがない。しぶしぶ帰るか・・・・・。」
莉央「いいよ!一緒に帰っても。あんたといるの楽しいし」
太一「ならよかった。じゃあよろしくねえっと・・・・・」
莉央「リオでいいよ。私はリオ。よろしくね!」
太一「リオか・・・・。可愛い名前だね。」
莉央「そう?ありがと!」
太一と私は友達という感じで帰ることになった。さっきのドキドキなんか
雰囲気で全部消えちゃった。たった2回しかあってないのに
こんなに親しくなれるのは初めてかも。
てか私が人見知りしないせいもあるかもしれない。
太一「莉央ってどこに住んでるの?」
莉央「え?私はあのお祭りの神社の先をいったとこだけど。」
太一「そうなんだ」
莉央「太一はどこなの?」
太一「あそこの神社。」
莉央「神主さんかなんかなのかな?」
太一「いや、両親がもういないからあそこの神社にお世話になってるんだよね。」
莉央「へぇ~そうなんだ。」
太一が神社でいきなり消えたのもわかる気がする。
なんだ。家があの神社ならそう言ってくれればいいのに。
太一「そういえば文化祭ってなに?今日先生がHRで話してたけど。」
莉央「え、文化祭知らないの?」
太一「うん!」
莉央「小学校とか中学校でやんなかった?」
太一「小学校?」
莉央「6歳になったら通うとこ!」
太一「ああ~。でも小学校とか中学校とか文化祭はなかったね・・・・・。僕が参加してないだけんんだけどね。」
莉央「そうなんだ。まあいっか、文化祭っていうのは神社でいうお祭りかな。それを学校でやるみたいな!」
太一「そうなんだ。」
莉央「そそ!なかなか面白いから遊んで損はないと思うよ?」
太一「ふ~んそうなんだ・・・・・。」
と2人で会話しながら道を歩いていて
もうすぐ神社が見えたとこで
太一「あ、じゃあもう家ついたからここで。」
莉央「え、ああうん!じゃあまた学校で!」
太一「じゃあバイバイ!」
莉央「バイバイ」
となにげなく手を振ってる私。
なんだろう。ちょっとさみしく感じるのが不思議。
それにしてもいろいろと不思議な子だった。
小学校中学校も知らないでよく高校いけたなって。
てかそれまでいったいなにしてたんだろう。
余計なことつっこむと嫌われちゃうから
あまり深追いはしなかったけど・・・・・・・・・
いろいろと疑問を心に抱きながら私は家に帰宅した。