エイユウの話~狭間~
ここで初めてあたしは知った。今、この緑のクラス内で、あたしがキースに気を持っている、ないしはあたしたちが付き合っているんじゃないかって噂が流れてることに。
これは最悪の事態だった。このあたしが?金糸と付き合ってる?なんてこと!信じられない。あたしは金糸を迫害するつもりはないわ。でも、金糸の迫害に巻き込まれてもいいと思っているほどお人よしでもないのよ。
っていうか、もしかして、彼があたしに好意を持っている、なんてことはないわよね。もしそうだったら大変だわ。でも振るわけにもいかない。振ればあたしが金髪迫害をしたってことになる。それに、彼も傷つくわ。そんなのは絶対にいけない。
あたしはそのことについて、数日間考えた。
そしてある結論に至った。
彼が「自分の負け」を自覚するような人を、あたしが好きになればいいんだ。そうすれば彼を傷つけずに、問題を解決できるじゃない。
作品名:エイユウの話~狭間~ 作家名:神田 諷