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エイユウの話~狭間~

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 それから何度も関わっていくうちに、キートワース・ケルティアという人物が解ってきた。なんというか、思っていた以上に情けない。いや、情けないというか、弱弱しいんだ。それを嘘で固めて平然としている。二重人格を形成するときのアレとはちょっと違うんだけど、まるでそれに似ている。
 ま、難しいことを言っちゃったけど、要は強がりなのよ。
 気持ちは分からなくもない。だって弱いことがばれれば、きっとファースを筆頭としたいじめっ子軍団の勢いは加速する。ああいうやつらは平然としている方が堪えるんだから、キースの対応は間違っちゃいない。でもね。
「化けるなら化かし通しなさいよ!」
「いーやーだー!」
 今日もまた、あたしはこの弱虫と戦っている。
 いくら春とはいえ最近の晴れの日は、少々気温が高くなってきている。特に今日は雲がかかっているにもかかわらず、太陽をよけるように移動していた。ホントに最悪だわ。
「逃げたりするからいじめが止まらないんじゃない!」
「解ってるよぅ」
 解ってるなら、出ろや。あたしの苛立ちはもう限界だ。
作品名:エイユウの話~狭間~ 作家名:神田 諷