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エイユウの話~狭間~

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「え!うそ、いきなり爬虫類?」
 隣にいた友達が、私の紋を覗き込んできた。彼女の言葉に周りがどよめく。得意げに周りを見ると、みんな種飛ばしタンポポとか拘束アイビーとか、よくて金魚だったわ。

 あたしって格違いなのね!

 そう喜んでいると、導師様が歩いてきた。そしてあたしの召喚した魔物を見る。導師様は苦笑いでおっしゃった。
「イモリ、ですね。両生類型です」
 一段下のレベルだったか。がっくりと肩を落とすあたしに、導師様は慌てて賛辞を入れる。
「いやいや、一回目で両生類を呼べるのも凄いですよ。あのノーマンと同等ですから」
 私は思わず舞い上がりそうになった。あたしがあのノーマン先輩と同格?じゃあ、最高術師になるのも夢じゃないってことよね!友達もクラスメートも、あたしに拍手を送ってくれたわ。すっごく気持ちよかった。顔をあげたときに見た青色の空は、まさにあたしの気持ちだったわ。
 気分最高のあたしは、さっさと次の挑戦に移ることにした。あたしの召喚でクラスの士気が上がって、みんなどんどん何度も召喚をしている。追いつかれる前に、進んでやらなきゃね。イモリにお礼を言って、帰ってもらおうと思ってしゃがみ込んだときだった。
 わぁっと歓声が上がった。でもそれは、明るい声ではなく、思わず洩れたという感じだった。声は水のように溢れ出し、あたし達を包み込む。もやっとしたそれに、あたしは思わず不快さを感じる。
作品名:エイユウの話~狭間~ 作家名:神田 諷