エイユウの話~狭間~
思い立ったが吉日。私は三人の授業が終わるのを待って、緑の教室に向かいました。この学園ではそれぞれの専攻に主となる教室があり、登校時と下校時に行く必要があるのです。つまり、出席の管理教室だということです。もちろん、授業ごとにも確認は行われますが。
その中でも緑の教室を選んだのは、二人に告げることで変わるかもしれないと思ったからです。
扉の隙間から中を垣間見ても、二人の姿はありませんでした。そのままそこで待機するか、また明日もう一度来るか悩みました。と、背後から声がしたのです。
見てみると緑の魔女と明の達人が、激しく口喧嘩をしていました。キースさんは真ん中でそれを止めようとしているようです。
彼の姿を見た私は緊張のあまり、思考回路が吹っ飛んでしまいました。つい、喧嘩の真っ最中である二人に話しかけてしまいました。
「すみません!」
作品名:エイユウの話~狭間~ 作家名:神田 諷