エイユウの話~狭間~
「あの人は、誰ですか?」
「彼も有名ですよ、明の達人です。魔禍の喚使同様、専攻の最高術師の方です」
キースさんが最高術師だと、私はそのとき知ったのですが。そう思いながら、しかし私は二人を見てしまいました。
不意に、明の達人と呼ばれる少年が、顔を上げました。私はあわてて顔をそらしました。
「どうしましょう!見られてますよね?」
「がっつり見てますよ。明の達人も魔禍の喚使も」
「えぇ!」
落ち着かない私がわたわたして、準導師様の学食の乗ったお盆に手をぶつけてしまい、結局二人そろってバタバタしてしまいました。
いつも通り心の授業の一環で、「一週間以内」の予知を行うことになりました。私の予知はいつも同じ映像で、荒れた学校と逃げ惑う人が写るだけでした。最近はそうなるまでの経緯がわかるようになってきていました。
私が見る途切れ途切れ風景をつなげると、こうなります。
作品名:エイユウの話~狭間~ 作家名:神田 諷