アンドロイド夕華
大介の母にもこっそりと妊娠について相談していたが
(そういうことは大介も交えて話し合うべきなのに)
母は妊娠について今回は寛容でお母さんになりなさいと協力的
避妊について詳しく調べる
大介もそのことを察してか積極的に求めはしないが
避妊に対しては夕華が使用を求める時以外はつけないようにしていた
ここ最近は行為がおわってある程度の時期をおいてから検査が習慣になっていた
今回の結果は陽性、ご懐妊が判明
うれしさがあふれる夕華
どうしよう メディカルでちゃんと検査してもらいたいけど・・・
いまは検査に時間避けないし安定期になってから大介さんに報告しよ?
その時を楽しみにしている
メディカルの診察室にて___
女医「・・・精密検査しないといけないが」
カルテをみて神妙な面持ちの様子
症状は深刻なようだ
大介「かんたんに説明してほしいんだ・・・」
深い溜息をつきながらその病名を告げ説明する
女医「・・サルマリド症候群(そんな病名ありません)、
簡単に説明すると血液の免疫不全からくる合併症だ」
大介「血液の免疫不全?」
その女医によると血液には免疫をつかさどるものに白血球があり
その数値が異常に低いというのだ、
それだけでなく血小板が機能しておらずもし止血した場合止血できず流血がとまらない
原因が不明で血液を成形している骨髄の異変かと調査したが
その骨髄に異常はみられない
臓器の異常なのか、それとも血管になにか問題があるのか
症例が非常に少なくこの時代をもってしても奇病に挙げられる
女医「免疫低下は深刻だから今すぐにでも隔離治療してほしい!」
しかしその言葉に首を横にふる大介
大介「ファクトはマザーコンピュータとメディカルセンターの早期復旧が必要なんだ」
女医「・・それはわかってる、だけど」
大介「人間とアンドロイドの医療にとって復旧すればみんなが」
女医「あんたのことを心配してるんだよ!!」
たまらず叫ぶ女医の先生
しかし大介はその叫びに動じない
その瞳は死を覚悟した目だった
大介との相談の結果治療方法が決まることに
それは血液の輸血による循環と増血剤での補填だった
これが大介と女医との妥協点だった
大介はさいしょ輸血による血液循環に否定的だった
それは他の人間に輸血ができなくなることをおそれての自分を顧みない意志
対する女医はすべての血液の循環による免疫をあげた上での長期の検査を指示
しかしそれは大量の血液が必要とのことと
最悪見つかり次第手術すれば完治の可能性があると告げる
その長期の検査はそれこそ血液が接触する全てにおいて行わなければならず
検査中に亡くなる可能性がある
だけど治療には絶対不可欠なことでこれは受け入れて欲しいと頼む
深く考慮した後大介が先生に相談をする
もし治らない可能性が高いのであればどうしたら延命できるかと
その意味を知り医師は最終決断を苦渋の選択として切り出す
可能な限りの輸血の量でそして点滴による延命でもっても数週間だと
その言葉に安堵する大介
大介「それだけあればファクトが再考に向けての基礎ができる」と話す
医師はその言葉に自分がなんと無力かをしらされる
患者が退室した後その症例と発症の可能性についてすべての資料を目にする
そこで少数ながらもその発症の共通点についての記述に衝撃をうける
先天性の免疫力の低下および被曝による放射能障害の一例
大介は被曝していた
メディカルセンターの復旧は最終段階になった
電源部分の回路系の修理が終わり残すは供給電源の復旧のみ
発電機の臨時供給ユニットの回路を一からやり直す大介
電磁波のノイズから衝撃をうけないように改良
ソーラー等の自然エネルギーと資源エネルギーを予備供給に備える
バッテリーへの蓄電はできるだけ避け
消費システムを計算し能率よくしかも代用できる部分は節約する
夕華の節約術からヒントを得(もったいないが口癖)
余った電力を貯めるのではなく効率よく使用
懇親のシステムを構築するのに数週間を要した
その間何度かつかれからくる疲労で倒れる大介
夕華も心配していたが大介はすぐに現場にもどる
みんなの思いのなか その日がきた
夕華「大介さん、そんなに無理しなくても・・・」
大介「・・・・、この回路を取り付けて終わればゆっくり休めるよ」
心配する夕華をよそになにかやり遂げようと必死の大介
さとし「取り付けは他の人にまかせましょう」
大介「・・・たのむ、これだけは俺にさせてくれないか・・・?」
さとしの声にも返事は同じだった
女医「これで安心して入院できるな」
大介「・・・・」
ここ最近倒れがちだと心配してくれている先生の言葉に周りの人は聞こえた
しかしこの言葉には返事をしなかった
大介(・・・・たぶん、中に・・・)
「あとは回路の取り付けと試運転で完成だな」
大介は回路が入った箱と通信用の無線もう一つ小さな何かをポケットに入れえる
それに気づくラッシュ
ラッシュ「それなんだ?」
一瞬、大介の動きがとまる
大介「これは起動用のリモコンだ」
飛鳥「起動用?、だったらもっていかずにおいていきましょうよ?」
大介「もし中に入ってる時に間違って押されるかもしれないだろ?
だから お守り代わりにもっていくんだ、安全を願って・・・」
大介は新設したエネルギー炉の中に取り付けのためにはいる
その後姿がみんなの見た最後の姿になった
エネルギー炉内部に到着した大介
回路の取付作業に取りかかる
取り付けながらみんなに話しかける
大介「これで電力が解決すればファクトの復興がすすむな・・」
さとし「そうですね、これで安心して治療に専念出来ますね」
ラッシュ「そうだ あんたをがんばりすぎだよ最近!」
飛鳥「ごめんんさい、ゆっくりしてくださいね・・・」
心配する飛鳥とラッシュ
その話し方もそれぞれでちがうことに気づく大介
すこし笑顔になる
大介「こんどみんな集まって食事でもいかない?」
飛鳥「ホントに?、いくいく?」
ラッシュ「居酒屋とかにする?それともディナーとか・・?」
飛鳥「それだったら是非素敵な景色のみえるレストランで!」
ラッシュ「・・・何処だよ、わたしもいったことねーよ!!」
いつもの感じでしゃべりだすラッシュ
(そうだ、いつもこんなことしゃべってたな・・)
セッティングが終わり蓋を閉める
夕華「・・・大介さん あのね、帰ってきたら報告があるの・・・」
夕華が話しだした時物音がきこえる
誰かがいる!!
??「・・・・だ・い・・すけ・・・・」
大介「・・・・・」
??「おまえの・・なま・え・・だけはわかる、俺は・・だれだ・・?」
そこにいたのは大介の父だった
大地「エーリカが動かなくなって・・命令するものがいなくなり
記憶が消えてしまった・・・大介・・・だれだ・・・」
大介(・・・父さん・・・)
侵入者の声に騒然となる一同
しかし慌てる様子のない大介
大介「・・おれの父親だよ、父さん・・・」
夕華「!!」
その正体に一番おどろいたのは夕華だった
(おとうさん?、エーリカが言っていた扉の向こうのいた人物の正体って・・)