アンドロイド夕華
由佳(絶対に夕華と離れないからな!、・・・・・ありがとう)
おかえりなさい、由佳
人類は荒廃した世界を浄化するため大きな過ちを犯していた
クリーンエネルギーに切り替えるためそして戦術的核の廃棄のため
産業原子廃棄物を宇宙へ廃棄を始めていた
エーリカが使おうとしている最終手段とはこの核廃棄物を載せた衛星の落下だった
衛星の軌道を修正しその目標をファクトにする
そのことを全世界に放送する
エーリカ「人類諸君、これから核廃棄物衛星を世界中に落としてやる!」
逃げ惑う人々 世界中がパニックに陥る
そんな中エーリカは扉の向こうの大介にこう叫ぶ
エーリカ「アンドロイドは戦術核にも耐えうる身体をもっているが人間はもつのか?」
その言葉の意味に恐怖するさとし
さとし「こいつはここに落とすつもりなんだ!」
飛鳥「はやく逃げなきゃ」
あわてるさとしたち、しかし大介は扉の前から動こうとしない
大介「・・・かならず助けにいくと決めたんだ、ここに残る!」
扉の先にいる夕華も同じだ
夕華「・・・むかえにきてくれます、ここでまっています!」
そのそばにいるエーリカは夕華と大介の姿を見て自分の野望をあきらめる
エーリカ「・・・わたしが死ぬと同時にこの扉がひらくことになっている」
腕に仕込まれた銃を頭部にあて夕華に最後の質問をなげかける
エーリカ「・・愛ってなんだ?、・・・夕華・・・」
銃声がこだまし、あいた扉がふたりの壁の距離を縮める
固く抱きあう2人
そこにいたはずの父の姿がいなくなっていた
大介達は避難用のシェルターを探し構内を走り続ける
夕華「何処にいけばシェルターはみつかるの?」
さとし「メディカルセンターか、ラボじゃないですかね?」
大介「一番近いのはどっちだ?」
夕華「メディカルセンターです!」
センターへ急ぐ夕華たちそしてついに念願のシェルターを発見する
しかしそれは一人用だった
さとし「このシェルターは大介さんがつかってください」
息も絶え絶えのさとしをみてシェルターの使用を促す
さとし「・・・・わたしならだいじょうぶです・・・だから・・・」
大介「・・・ラボに行ってきます」
そういってさとしをのこし走りだす
さとし「気をつけてください・・・」
ラボまであと少しの時、空から飛来物がみえる
いそげ!大介
衛星がマザーコンピュータの中枢部付近をかすめ落下する
・・・・・
どれほどの時がたっただろう
大気汚染のおそれがあるため避難民は外に出ることができない
衛星の状態を知るものは誰も居ないためだ
世界は汚染されたのか?それとも衛星に損傷はなく無事なのか・・・
ファクトから映像は配信されているがそこに映る画像に人影はない
その映像を固唾を呑み見守る
やがて人影が見え状況が把握できる
大介「・・・衛星に損傷はない、みんな安心してくれ!!」
歓喜する、そして抱き合うアンドロイドと人間
そこには蟠りはなかった
そして世界は動き出す
未来に向けて・・・
大介は夕華のことを強く抱きしめそのお互いの気持ちを確かめ合う
そのまわりに集まる人だかりでさながら英雄のようだった
そんな中ひとりだけ不思議な違和感を感じていた
(・・・・・?・・・・・)
駿「やったな、おまえが世界を救ったんだぞ!!」
ラッシュ「夕華 みんな見てるよ?、ファンができたんじゃないの?」
孝「・・・ゆっくりさせてやれよ」
たくさんの声のなか大介がみんなに呼びかける
大介「・・・このファクトは今復興が必要な状況です、皆さん力をかしてください!」
その声に賛同する一同
そのさなか大介の前に近づく
さとし「ちょっといいですか・・・?」
大介「さとしは影響はなかった?」
その言葉に大介を何処かへ連れ出す
そして真実を問い詰める
さとし「・・・あなたはあの後ラボにたどり着いたんですか・・?」
その声に大介は重い口をひらく
大介「じつはラボにたどり着く前に衛星がみえてその場所をかえたんだ」
さとし「・・・かえた?、なんでです・・?」
その質問に大介からいがいな答えがかえってきた
大介「衛星が落下した時ラボまでたどり着かないと判断して
夕華をマザーの中枢部にいくように指示を出したんだ」
さとし「マザー?、だってあそこは・・・」
そう、そこから脱出していたのだ!
大介「あそこなら舞(マザー)が籠城していた場所だ
核攻撃を予想してシェルター機能をもっていると予想したんだ」
たしかにファクトの心臓部だからその考えは間違っていない
さとし「・・・灯台下暗しですね」
大介「ただ中枢部がどうしても閉じることができなかったんだ」
さとし「閉じなかった!?」
大介「夕華たちなら再生用の管理ポッドに避難はできるだろう・・?」
さとし「・・・それで?」
大介「おれが操作してポッドに避難させたんだ・・・」
まさか・・・
さとし「・・・あなたはあの時 どこにいたんです!」
大介「・・・・・・」
その答えはかえってこなかった
大介「・・・夕華たちならアンドロイドだから戦術核にも耐性がある
管理ポッドとマザーの中枢部の分厚い壁なら助かると判断したんだ・・・」
(それじゃ、あなたは被曝を覚悟で夕華たちを守るために・・)
大介「・・・すまない、みんなにはだまっててくれ・・・」
そういってさみしそうな顔をする
さとし「・・・わかりました、でもなにかあったときはかならず」
大介「あぁ、治療するよ」
ファクトは痛手を負い再生に向けて復興をはじめる
ファクトはマザーのいるメディカルセンター付近の衛星による破損と
衝撃の被害で機能が麻痺した
それはこの都市の利点であり集中した管理機構が逆に仇になった
復興に一丸になる奮闘するみんな
人間はこの世界の環境に適用できないでいる
アンドロイドは戦術核にも適応できるほど身体は強固だが管理が必要
ドロイド解放軍の条件にあった人間の選別は技師の確保
つまり人間もアンドロイドもそれぞれでは生きていけない存在
いつしか手を取り合って生きていくことを忘れていたのかもしれない
誰かがそうつぶやいた
今回の事件によりくしくもその事実に気付かされる
夕華のようにわからないことは教えてもらい
知っているひとはその意味を再確認する機会を授かる
できないことでもやればなんとかなる
できないとあきらめしないことが本当はいけないことなんだと
ラッシュ「・・・だれにいってるんだ?」
??「あ、すみません」
ラッシュ「この荷物は・・・」
??「ここですね」
・・・・・・・・・
復興に向けてがんばる人々
大介はメンテナンス系に強いため機械の修理や
アンドロイドのメンテナンスの仕事が増えてきた
夕華は育児の手伝いや料理の炊き出しなどの担当に
ベテランの奥様たちと井戸端話交えながら悪戦苦闘
みんな一丸となって復興に向け頑張る一同
そんなある日___
上機嫌の夕華
夕華「・・・いやーん、どうしよう?」
手にもっているのは妊娠検査薬
ご近所の奥様たちの助言を受け妊娠についてくわしく相談
排卵日から着床について真剣に悩んでいた