アンドロイド夕華
さとしに大介を託し中枢に向かわせる
中枢に向かうさとし
さとしはラッシュの親友である夕華を助けるためにファクトに舞い戻ってきた
それがたとえ自分の家族と別れることになっても・・・
だが実際は母親の主導により協力を願い出る
考えられる装備武装で送り出した
その直後世界同時多発テロが起きたためその消息は不明のなかかけつけてきた
さとし「・・・母親はきっと生きていますよ、たぶん」
さとしの声はすこしいつもの元気はなかった
大介「・・・すいません、俺達のためにこんなことになって・・・」
さとしに謝る大介
しかしさとしはそのことは気にしていない様子
さとし「大介さんや夕華ちゃんが悪いわけではありませんよ、
むしろ被害者じゃないですか」
マザー構内を走りだす2人
さとし「・・・解放軍が人類抹殺にむけ声明を上げて困惑しているのは人間だけじゃない」
大介「そうだな、本当は平等に開放することが重要なのにな・・・」
マザーの監視エリアに到達
ここからは許可者しか侵入できない場所に到達した
大介「夕華、迎えに来たぞ!! 開けろ!!」
叫ぶ
するととびらの向こう側から声が聞こえてくる
エーリカ「・・・こいとは言ったけど開けるわけないじゃない、バカじゃないの?」
大介「・・・たのむ 夕華をかえしてくれ・・・」
いくら懇願しても扉が開くことはなかった
??「だいじょうぶ・・・」
大介たちの背後から現れたのは以外な人物だった
大介達が振り返るとそこに立っていたのは死んだはずの飛鳥だった
飛鳥「はーい、大介?」
さすがに大介も驚きを隠せない
さとし「じつは飛鳥は記憶メモリーを回収してファクトで再生してもらったんですよ」
飛鳥「そういうこと、つまり再生されたということは・・・」
ポケットからカードを取り出す
飛鳥「じゃーん、このマザーの許可証です!」
壁の向こうのエーリカ 驚きを隠せない
侵入不可能のはずの中枢部への許可証をもった人物がいた
しかも物凄く身近な人物が持っていた
その許可証をかざし扉を開く
その扉の先に人間ともバトロイドともとれない奇妙な人影が見える
光があたりその物体をみつめる
その物体は解放軍のように攻撃を加えるわけでもなく
ただその場に立ちつくしている
??「ここから先はエーリカの命令により侵入は許可されていない」
その物体を見ておどろく飛鳥
飛鳥「・・・あなた、一体何者なの?」
さとし「どうしたんですか?」
飛鳥「アンドロイドの身体を持ちながら認証コードを出さないなんて考えられない・・・」
その物体はアンドロイドではないらしい、
認証コードがでていないというのだ
大介がその物体を見て話しだす
大介「・・・まさか、父さん・・・?」
大地「だい・・す・・け・・?、・・・大介なのか・・?」
大介の父親とこんな処で再会するとは・・・
大介が死んでいたと思っていた父が いま目の前にいる
しかしそれは原型を留めないほどにみにくき姿になっていた
それよりも父が家族思いだった父親が無機質になり
敵の操り人形のように変わり果てていたことに動揺を隠せない
大介「・・・・・」
言葉が出ない大介
大地「・・・もうすぐエーリカから次の指示がある、
それまではこのままじっとここにいてくれないか・・・命令だ」
(・・・これがおれの父親なのか?、あの・・・やさしかった・・・)
父は動こうとするものに注意をはらい攻撃態勢を取ろうとする
だが息子との会話は交わすことはなかった
その姿に全員がどうすることもできずその場に立ちつくす
しばらくの静寂の後重い口を開く大介
大介「・・・父さん、おれは・・・」
大地「すまない・・・、おまえが息子だろうということだけは認識している
しかしその記憶を思い出そうとしても思い出せないのだ・・・・」
涙を流し父に抱きよろとするが攻撃態勢を崩そうとしない父に近づけない
大地「記憶が雅とサターンにより書き換えられ思い出がなくなったのだ・・・」
大介「!!」
この父親が解放軍が人類抹殺を行うために?
衝撃的な内容に混乱する大介たち
大地「しかしその能力はエーリカにうばわれ今は記憶のない存在だがな・・・」
大介達は何もできずその場に留まるしかできなくなった
マザーコンピュータ中枢部
エーリカ「・・・はじめまして夕華・・・いや、私たちのイブ」
夕華「おねがいします、大介さんのもとに返してください!!」
中枢部に中にはエーリカと夕華しかいない
エーリカ「・・・・わたしはあなたの中にいる由佳にだけ用事があるの
話をきいてくれるかしら? 由佳・・・」
険しい面持ちの夕華が次第に由佳の顔に変わる
由佳「・・・あんたが雅を殺した張本人だね?」
エーリカ「・・・まさか、融合して生きていますよ?」
不敵な笑みを浮かべるエーリカ
由佳「ドロイド解放軍の首謀者にして今回の敵・・・だろ?」
睨みつける由佳、それを笑顔でかえすエーリカ
エーリカ「あなたに渡したいものがあるの、
それさえ受け取れば人間の虐殺はやめるつもりよ・・・」
由佳「うそをつけ! 何を企んでいる?」
エーリカの言葉を信じない由佳
エーリカ「クーデターがおこってはいるものの硬直状態
もし抹殺をおこなおうと思えば簡単に実行できるのによ?」
由佳「・・・・」
信じられないがそれは事実だった
マザーの監視モニターに世界のリアルタイムの映像が映し出される
そこには内戦の様子は写っておらず硬直状態のみ
しかし一部で交戦の映像を見つける
由佳「・・・あそこで戦争が起こっているぞ!」
エーリカ「攻撃をしているのはドロイド?」
人間が無抵抗なアンドロイドを殺し歓喜する姿だった
その様子に言葉が出ない
モニターが切り替え始める
そこに映っていたのは戦争の歴史だった
映しだされた映像は衝撃的なものだった
子どもたちが銃を持ち空爆から逃げ惑う人々
虐殺、差別 歓喜する宴の横で奴隷のように働く植民地の人間
絵画、映画 その様子をリアルに見せるために実際に焼かれる人間(本当にあるらしい)
目を疑うような光景が動く景色のように映し出される
その映像に目を背ける由佳
しかし背けた先にも別の衝撃映像が流れ目を閉じる
今度は爆撃 爆音、叫び声がこだまする
耳をふさぎ身体を縮める由佳が叫ぶ
由佳「もうやめて!!」
この叫び声に呼応するように一斉に停止する
エーリカ「・・・戦争の歴史映像だけでも数万はくだらない
空想のもの、ノンフィクションのもの名画とうたわれるものまでもだ・・・」
由佳「わたしは大地のもとに帰りたいだけなのに・・・」
エーリカに愛する人の元の戻りたいと懇願する
その言葉に不敵な笑みを浮かべる
エーリカ「この扉の向こうに大地、そして大介がいるのよ・・・」
由佳・夕華「!!」
扉の先にいる!大介がそして大地が
その言葉にエーリカをみつめる
エーリカ「わたしの望みはあなたの残りの人生を返すだけよ、ただ それだけ」
そういって手を差し出すエーリカ
由佳「私の残りの人生・・?」