火付け役は誰だ!
△三番、火の無い所にフラグは立たぬ▼
「戦争?」
一気に言葉が荒々しい物になった、今までは嘘か誠かはともかく妖精(笑)の名に沿ったファンシーと言えなくもない話だったのに。
「そう、その有り様を言い換えるならば…バトルロワイヤル!大分言葉を丸くしたけど!」
「丸くしてバトルロワイヤルってどういうことなんだよそのゲーム!!あと字面だけの印象から言うとな角くったぞ!」
「まぁ実際バトルロワイヤルなんです、名称。」
「…ふうん、妖精も大変だな。」
「なんて適当な感想を言うことが出来るのもここまでですねマスター!貴方も巻き込まれたと言ったでしょう?」
「あ、絶妙に話を逸らそうとしたのバレた?」
「絶妙でもなんでもなく、もろバレ?」
見抜かれてましたー、なんか厄介な事に巻き込まれたと気づいたのがその戦争ゲームって言葉の時点だからなーもう辛いわー
「じゃあこの『チキチキ、とある町での戦争遊戯!!(バトルロワイヤル)』の説明を!」
「…色々名称に突っ込みどころ満載なんだが。」
「スルーで!」
「やっぱり?」
「続けますよ?」
「是非に及ばず。」
穂子が話したのはその戦争ゲームの成り立ちと意味、そしてマスターという言葉の理由だった。
「私は堅苦しくマスター、とか呼んでるんですが、これ、実際は『バディ』と言うらしいですね。」
組、ね。
「で、そもそものバトルロワイヤルの話が、さっき神々の戦いに妖精が巻き込まれたって言いましたよね?」
「トラウマになったって言ってた時だな。」
「そう!その後私達は話し合いの結果、その状況を自分達で作り上げる事にしたんですよ、トラウマ解消のために。」
「…すまん、話が今行方不明になった。」
「要は戦いの力を恐れてしまったんだから、戦いに慣れちゃえばトラウマ解消ストレス抹消って事!」
「…武闘派の妖精って誰得…ファンシーイメージぶち壊し!」
「まぁ戦いのレベルも人によって違うから、武闘派も無論いますけど、大抵の方々はポコポコパンチで疲れた方が負けとかそんな物です!」
「ファンシーというかバトルロワイヤルのレベルショボッッ!!ポコポコパンチって女子力なあれじゃん!」
「あ、因みに私が前回大会で出来たアザは全部ポコポコパンチが原因でした…」
「前言撤回!なんだよそれ!アザが出来るほどのパンチをポコポコするってやっぱり武闘派じゃん!!やっぱり誰得!」
一瞬ポコポコパンチの図を想像して(戦いにはなってないけど目の保養にはなりそうだな)とか考えた俺のこの今の気持ち!真実って残酷!
「まぁ私は見ての通り」
「武闘派?」
「ポコポコパンチ目に集中させますか?」
「ごめん冗談。」
にっこり笑って親指を握り込む穂子、怖いから、ポコポコパンチ目なんかにやったらあのジブリ某大佐みたいになるから。
「話を続けると私達はバトルロワイヤルを行う際に人間とパートナーにならないと、例えば私なら火の力を使えないんだね!」
「ほう、また何でだ?」
「神話でもあるよね、妖精が人間の手助けをしてるとか、神様と人間の橋渡しをしてるとか?」
「あぁ、要は奇跡とかそういうやつは奇跡を持ってない人の前でしか使えないのか?」
「ご名答!という訳で妖精は人間とタッグを組んで、バトルロワイヤルで優勝を目指す!て事です。」
「大体理解できたが俺はそのバトルロワイヤルには」
「もう参加してますよ?」
「…人が話をきっぱり断ろうとしてたのに。」
「因みに真実を告げてしまうと残酷だけど、このバディって人間側に選択の余地無いんだよね!」
「…どゆこと?」
「手紙来たよね、私の。直に届けたしね!」
そう言われて穂子の手を見てみる。
確かに言われてみればあの時の机にあった手だ。
「あの手紙ってランダムに宛先が決定されてて、届いた瞬間即座その人とバディでバトルロワイヤルスタート!」
「…つまり?」
「はい!逃げる余地は0です!」
にっこりと止め、こんなのってねぇよ…
「まぁ負けてもバディはバトルロワイヤル終了までいるから!まぁ負けたらポコポコパンチでなかなか重症だけど!」
「そうなりたくないと願うばかりだ。そうだ、因みに優勝したバディと妖精には何が与えられるんだ?」
し烈なポコポコパンチのバトルロワイヤルにせめて待つ先は何か気になるのは当然だ。
「んー景品は確か…『ネガイガカナーウ』セットだったかな?」
「だから何なんだよその嘘臭い商品!何でもカタカナにすれば良いと思ってないか!?」
「いやいや、これは神様の特注品!ちゃんと効果は絶大だからご安心!」
「その人の願いが3つ叶いますから!」
≡≡火付け役は誰だ!≡≡