火付け役は誰だ!
△八番、火に油を注ぐがごとき勢いで▼
お説教、お説教、お説教。
「だってお腹空いたんだもの!仕方がないじゃん!生理的欲求に逆らったら行き着く先はミイラだよ!」
「…お前のほっぺたにバッチリついてる物は炭水化物系のナニカをためらいなくガッツリ食べたと証言しているんだが?」
「足りない!何が足りないって圧倒的に量が足りないよ!」
「足りない!こっちの台詞だがあれで量が足りないと食費が圧倒的に足りない!」
「無ければ作り出せば良いんだよって痛たたたたたッ!髪は引っ張ら痛い痛い痛い!」
「現在絶賛居候が何をほざくか、じゃあ有言実行だ、まずは簡単な早朝の新聞配達バイトからこなしていこうか。」
「稼ぐせめてウェイトレスとかにして!それより髪は女の命だよ!?簡単に引っ張られたりしたら」
「…抜けるのか?」
「抜けません!」
「…禿げるのか?」
「禿げません!」
「じゃ大丈夫。」
「どんな理屈!?」
…話が逸れた。
「ともかく!家に居なさいっての!」
「えー、」
「えーじゃありません!早く戻って!」
今は昼時なので廊下に人がいないが、じきに早く食べ終わった勢力が遊ぶために出てくるだろう、タイムリミットは残り僅かだ。
というよりこんな制服を来てすらいない少女があっさり学校に入ってこれるって大丈夫なのかセキュリティ。
「ほら、人が来るから、学校にはな、ロリコンという恐ろしい人種がいてだな、」
「ロリコンは分かるけど何故それを私に言うのかな?」
にこやかな笑顔が怖い。
いや、何も考えていませんよ?ロリコンの対象になりかねないだなんて一切考えてなブハッ
にこやかかつ容赦なく右ストレートを決められ、多少涙目になりながら続ける。
「あーもうともかくここから離れるぞ!ほら覆水も…」
後ろの覆水を振り返り注意しようとした、繰り返す、しようとした。
「だーかーらーなんで家が流れるプール状態なんだああああああああッ!」
「…まって媛佳これ以上は、これ以上は私が真っ白な何かになって…」
「知らない知らないワタシ何も知らないッ!」
「…待っちょっと本当にまずい。」
覆水が一言言う度、瑞に消火器が吹き付けられている、レベルとしてはそろそろ人が死ぬレベルで。
というよりヤバい、覆水の雰囲気と口調がデフォルトで変わってる、鬼子母神(第一形態)みたいになってる。
「これは私のッ!家の敷金の分ッ!これは私のッ!昨日買ったマンガの分ッ!」
「…マンガは買い直」
「シリーズ耳を揃えて返しなさいッ!一巻しか買ってなかったけども!」
「…理、不尽」
「黙らっしゃあい!」
うん、もうこれ以上は見るにたえないかな。
「…穂子。」
「…何、彦?」
「…早くこの場を離れないと俺達まで死にそうな気がするんだがこれ如何に。」
「…意義なしだよ、速やかに退却しよう彦。」
かくして俺達は被害を出すことなく穂子を学校から戻せたのだ!
≡≡火付け役は誰だ!≡≡