小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
瀬間野信平
瀬間野信平
novelistID. 45975
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

火付け役は誰だ!

INDEX|13ページ/21ページ|

次のページ前のページ
 



話は少し遡る、二時間目終了後の休憩時間の事だ。

「学食って12時から開いてるらしいよ!」
「マジでか!授業サボって行くしかないな!」
「そうだな!腹が空いては戦にならん!」
「ちょっと待ておい誰だ授業サボろうとしたの!」

こんな感じのハイテンションな会話が聞こえてくる休憩時間。
ふむ、学食が空くのが12時なのか。
授業が終わるのはその30分後なのにちょっと早いのは、おそらく授業が無い先生の為だろう。
混雑解消にも繋がるし確かに良い案だ、授業サボる学生を助長しなければの話だが。

「ちょっと」

誰かに声をかけられた気がするが俺のテンションは今限り無く下がっているんだ寝かせてくれ。

「…ちょっと」

殺意のこもる割合が5割に増加、それでも眠気に勝るものはいない。
春眠暁をなんとやら、寝かせてくれ、今夏だけど。
リアル冬眠前のクマの気持ちを味わうこと三分、夏だけど。

「ちょっと!」

殺意100%の声が耳元で聞こえた。
ここまできたら非常に不本意ながら目も覚める。
ゆったり顔を動かしながら起こしたのが誰か確かめようとした。

「…眠いんだけど寝かせ」
「ブシュー」

残念ながら顔を上げる暇もなかった、寝起きの俺を待っていたのは小型消火器のノズルから吹き出す突然の白い粉末。
そして正しい反応としては無論こうなる。

「…え………目エェッーー!!!」

目が!目が!
というか問題は量!俺の顔全体に吹き付けるとか、誰か知らんが殺す気か!

「人の話を聞かないから!自業自得の因果応報!」

俺に今非は無くないか、と思って相手を見ると何と先程の覆水。

「何の用だ?昼寝の俺を消火器使ってまでして起こしたんだから大層なご用事だよなぁ?」
「え、まぁそう…そうなはず。」
「おいなに顔逸らしてんだ。で、本題は?」
「あぁ、うん、そうか。」

何故かここで覆水は言葉を切ってから一拍おき、

「ということでキラキラネーム、勝負しましょ。」
「ちょっと待て何か色々吹っ飛んだ。」
「何がよ?宣戦布告ってやつよ、宣戦布告。分かる?」

いやちょっと待て。
今日の朝お前とは学校にいる間は停戦協定結んだはずだろ。
と、このように考える俺を見透かすように覆水は見透かすように言葉を続ける。

「別に勘違いしないこと、勝負といってもバトルロワイヤルの方じゃなくて純粋な勝負!」

見事なツンデレセリフ、それ以上に何の勝負か明言しないのが一番不安だけども。

「質問。」
「はい、キラキラ。」
「…名前については謝罪と賠償要求するからな、やる意味が見いだせないのだが。」

だって覆水の怒りを買うような事はしてないもの、そんな短期間で俺は人に恨まれませんことよ。

「…朝のこと覚えてないの?」
「…何が?」

前述の通り俺は身に覚えが無いのだが。
しかしその答えを返さずにいたらどうやら覆水を怒らせたようだ。

「もういい!とにかく勝負!昼に私のクラスの廊下にいなさい!」

何が悔しいのか顔を真っ赤にしながらドアを閉めて去る乱入者。
何だったんだ、というより何で怒ったんだ。
停戦協定してそれぞれの部屋に戻っただけじゃないか。
やはり何故怒ったか分からない。
それにしても困ったな。
何に困るかってただ一つ。

さっきからこっちをチラチラ見てひそひそ話してるあの女子の一団、きっと物凄い誤解をしてると思うんだが…果たしてどうしようか。



≡≡火付け役は誰だ!≡≡
作品名:火付け役は誰だ! 作家名:瀬間野信平