火付け役は誰だ!
△六番、火中の飯は爆ぜる▼
昼飯時。
それは大抵の学生にとっては待ち焦がれたオアシス的時間である。
つまらない四時間もの授業を耐え、胃の生理的欲求が最大になったこの時間、待ちに待ったという表現がピッタリだ。
しかし大抵の場合は儚く過ぎ去って、その後は辛く厳しい授業という名の現実を目の当たりにし、耐えきれず惰眠を貪るのがセオリーと言っても過言ではない。
しかしその学校唯一の楽園とも言える至福の時を確保するのは簡単な事ではない。
そう、ご飯を食べるも何も場所がなければ仕方がない。
「何ボーッとしてるの、早くご飯食べる場所見つけないと。」
途方にくれる俺に容赦ないどやしを入れるのは朝に来たとき、向こうからライバル認定されたはずの覆水媛佳。
「ボーッとしてない、途方にくれてるんだ、それとそっちもその膨れっ面何とかしろ。カエルか。」
「ゲコ、って何やらせるの!」
会話にも切れがない。
更に俺にはそっちが乗ったんじゃないかと突っ込む気力すらない。
互いにため息をつき、前を見てもう一度ため息。
さて、ではお話ししよう、何故俺は今途方にくれているのか、そして何故覆水といるのか、そして
何故目の前の学食が既に満席なのかをッ!!
≡≡火付け役は誰だ!≡≡