ジャッカル21
「私の助手は、私が選んでいいですよね」
「いや、もう決めてある」
「えーっ、どんなやつですか?」
「埼玉県警の江刺巡査部長、二十六歳だ」
「若造ですね。足手まといになったら途中で捨てますよ」
「かまわん。好きにしてくれ」
「で、私はどこに出向することになるんですか?」
「今度は君が決める番だ。あべこべのようですまんな」
どこに出向させるべきか、総監なりの考えは、もう出来ているな、と袋田は推定した。その上で、こいつはどんなことを言うだろうか、試しに訊いてやろう、という腹であるらしい。袋田はしばらく宙に視線を漂わせて思案してから口を開いた。
「私のいくべき場所は、当然、ジャッカルが最も入国する可能性の高いところです。では、どこからやつは侵入するか。