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ジャッカル21

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ジャッカルはひた走った。サイレンの音におびえて、車はあわてて避けていった。のろのろしている車を二三台引っ掛けた。横浜新道に入り、保土ヶ谷を過ぎ、戸塚を過ぎた。大船、鎌倉、材木座を過ぎてついに逗子に入った。四ヶ所の検問を壊して走った。最初の検問突破からわずか十五分しかたっていなかった。森戸のハーバーに乗りつけると、事務員にモーターボートを貸せと脅した。あわてふためく事務員が、いまはあきがありませんと答えたので、胸倉を右手でつかんで宙吊りにした。わかりましたと言う相手に、最も速いボートのキーを出させた。40ノット出るという。ガソリンが満タンであることを確認して跳び乗った。

袋田と江刺は、エレベーターに向かって走った。ジャッカルが第三京浜の検問を突破した時点で、警察庁も警視庁も袋田の主張が正しいと認めたようだった。それは、エレベーターに走って向かう袋田に対して、職員や刑事たちが、すまなかったというような目つきを向けることからもわかった。二人はエレベーターに乗った。六階でも、八階でも、十一階でも袋田が下りないので、江刺が、どこまで行くのよ、と聞いてきた。屋上だ、と袋田が答えると、私、高所恐怖症なの、と江刺がとても真剣に言った。
五角形状の屋上へリポートには、すでにヘリコプターおおとり号がプロペラを回して待機していた。

ジャッカルは、鮫島の沖を回って、御用邸沖合い六キロ地点に浮かぶ手漕ぎの釣り船に、向かう。鮫島、長者ヶ崎、御用邸のある小磯には、それぞれSPが配置されていた。釣り船にも、両陛下、油壺水産試験所の教授、地元の漁師二名のほかに、SPが二名乗り込んでいた。SPは、すでに緊急連絡を受けており、周囲を警戒している。船は全速で岸に向かっていた。だが、なにぶんにも櫓でこぐ木造船なので、スピードはたかが知れていた。陸地にいるSPたちは、昼間でも赤く輝く警戒信号を、大きく振り回していた。御用邸前の浜辺には人が集まってきた。
作品名:ジャッカル21 作家名:安西光彦