恋の結末
つんつん
誰かが俺を突いている気がする。
つんつん
「たっくん、おきて……」
「……んん」
「たっくん、朝だよ……」
もう少し寝させてくれ
俺は一瞬何かを見た気がしたが再び眠りの淵に落ちていった。
しばらくすと、ドンと上に何かが乗かかってきた。
「……お、重い」
重かったがあくまでも目を閉じたた。
ガーンとでも言いたげな表情をした葵が俺の上に乗っていた。
「あっ……、起きた」
葵の乗っかっている位置が俺の腰にちょうど当たる。
いかん、いかん。何か違うことを考えないと。
「そ、そうだ。お前の好きな作家の書展に行かないか?」
「わぁ……」
口を小さく開いて、段々と顔を赤くしていき、
「たっくん、ありがとう!」
とそのまま俺のほうに倒れてきた。
「う……あんまり俺の上で暴れないでくれ」
「ふぁーい」
葵はごそごそと元の俺の腰の上に戻った。
「その上からも早く降りてくれないかな」
「学校にも遅れるし、その……せめて座る場所を……」
きょとんとした顔で葵は俺が何を言っているのか考えていたらしい。
しばらくすると俺の言わんとしていることに気づいたらしく、
ポッと顔を赤らめて、
「ごそごそ……」
俺の体から降りてベットのふちに座った。
「たっくん、隣……」
「お、おう」
俺は極力ぶっきらぼうに続けた。
「学校……遅れるぞ」
「……」
そっと手を重ねてきた。
葵が俺の手をきゅっと握った。
…………。
…………。
……………。
……………。
彼女の瞳が……揺れる。
不安そうに。
「たっくん……」
彼女の握る力が強くなった。
「たっくんは……」
「葵……」
隣に座る葵はとても小さくて表情を読み取れなかった。
「たっくんは私の事好き……?」
突然の告白。
いや、前々からわっかていたことだ。
ただ今までその事からめを逸らしていただけだ。
今度こそ逃げない。
ただ、あいつには悪いと思う。
しかし俺は……