恋の結末
「ああ、もちろん好きに決まって……」
いるさ。
そう言い終わる前に再び葵が俺の方に倒れこんできた。
「たっくん……」
「ありがとう!」
そのまま葵は俺の上をしばらく転がっていた。
「……」
葵は突然転がるのを止めた。
……。
「どうした?」
「たっくん、本当に私で良かったの……?」
「葵」
あいつへの遠慮だろうか?
どちらにせよ俺の意思は決まっている。
「当たり前だろ」
「二度とそんな事を言うんじゃないぞ」
二度と俺もそんなことは言わないし、葵にも言って欲しくない。
俺はそう心に言い聞かせた。
「じゃあ……」
…………。
……。
少しの間。
葵が何を考えているのか俺には分からない。
しかし、葵は何かを決心したようで、
「たっくん! 少しの間だけ目をつぶって……」
「お……、おう」
俺はそっと柔らかい何かが自分の唇に重なるのを感じた。
「ん……?」