恋の結末
僕は小鳩さんに教えられた聖地にたどり着いた。
「たく……」
そこには安芸がいた。
周りには同じように耳と尻尾を持った人がたくさんいた。
彼らはそれぞれ思い思いの場所でくつろいでいる様子だった。
その中でもひときわ歳をとった長老格が口を開いた。
「君が磐手拓哉だね」
「えっ? あ、はい」
「話はこの安芸から聞いているよ」
「あ、あの。安芸の事なのですが……」
長老は鷹揚な手振りで僕のセリフを遮ると、
「まあ、待ちなさい。落ち着いて話をしよう」
そう言うと巨大なウロの中に入っていった。
付いて来いということなのだろうか?
安芸が心配そうにこっちをみている。
ほかの奴らは我関せずと言った調子だ。
僕は思い切ってウロのなかに歩を進めた。